2001年に考えていたことを、2004年に検証する

「ITの未来を考える」と銘打って始めた、このブログですが、過去にも同じようなサイトをやっていました。
2001年のことなので、記事の内容も随分古いのですが、これも間違いなく私が考えたことですから、とりあえず、このブログにまとめておきました。

どうも、記事が尻切れになっているものが多いようです。今回は、尻切れにならないよう努力したいと思います。

ところで、2001年の記事を振り返ると、XML、Webサービス、フレームワーク、モバイルに関するもので大半を占めています。2004年の現在から検証してみたいと思います。

まず、XMLは基盤技術としての位置を確保しました。川俣晶氏の記事を引いているものがありますが、氏の言うとおり、XMLはあくまで基盤技術であり、XML単体で何かが起こるというわけではなかったのです。XMLの基盤技術としての位置づけは今後、さらにその位置を確固たるものにしていくことでしょう。

次にWebサービスですが、3年たった今でも、SIの現場でスタンダードになったとは感じません。まだ期待先行で、その点は当時と変わりません。しかし、AmazonやGoogleがWebサービスを提供したり、.NetやJavaでのWebサービス開発環境が格段に整備されたことは進化しています。さらに注視していく必要がありそうです。

フレームワークは、確実にスタンダードな技術になりました。今やフレームワークのないJavaを用いたWeb開発はあり得ません。私が携わっている開発でもStrutsを使うことが普通になっています。フレームワークのビジネスにおける位置づけは、今後どのようになっていくのか?「フレームワークを売る」というビジネスは成り立つのか、「フレームワークにナレッジを詰め込む」ということは本当に成功するのか、「フレームワークを使うことによる真価」とは何なのか・・・一つ一つ結果を出していくフェーズに入ったと考えます。

最後にモバイルですが、これは今ひとつ伸びていません。2001年当時は時代の先端を走っていたPDAが尻すぼみの現状です。その分、携帯電話の進化は着々と進んでいますが、携帯電話と業務システムという観点では、まだビッグビジネスになっていません。個人ユーザの携帯電話加入契約が頭打ちとなっている今、各キャリアは法人ユーザの獲得に躍起です。ただ単に「通話のための携帯電話」ではなく、「ソリューションの一環としての携帯電話」という売り方がされるでしょうから、そこからシステム開発のタネが出てくるかもしれません。

さて、私が2001年に取り上げた4つの技術テーマは、成功したものあり、尻すぼみなものありでした。
PYOSは「IT技術の未来を考える」ブログです。過去を振り返るのはこの辺にして、今から5年後、10年後を考えていきたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。