さぁ、自分自身に力の限り言おう。「どんだけぇ~!」

「プロフェッショナル進化論『個人シンクタンク』の時代が始まる」を読んだ。ワンセンテンスが短く、重要なフレーズは頻繁に改行して太字という構成なので、大変に読みやすい。行き帰りの通勤電車の中で、一息に読んでしまった。

「これからの時代に真のプロフェッショナルとして、活躍できる人材であるために、いかなる戦略を採るべきか」というのが主題だと思うが、そこではWeb2.0にくくられる様々なネットの力が活用されている(というより、ネットの力があるからこそ、個人がシンクタンク的な活躍が出来る。)ので、ネットをパワフルに活用する方法といった読み方も出来る。

印象に残ったのは、

「下段者には、上段者の力が分からない」

という、実に簡潔で、恐ろしい格言。

単に「知識」を持っているだけの「机上プロフェッショナル」には、「智恵」を身につけた「熟練プロフェッショナル」の「力量」が分からないのである。
しかし、逆に、「熟練プロフェッショナル」からは、恐ろしいことに、「机上プロフェッショナル」の力量は「透けて見える」。
なぜ、力量が「透けて見える」のか。
「言葉が軽い」からである。

見事にぶった切られてしまった。これは、それなりに実体験として理解できるところであり、実に身につまされるところでもある。

例えば、私の場合、SI業界のことだったら少しだけ上段者だから、下段者の軽さが見えるというのも分からないではない。もちろん、少しだけの上段者であるから、そのまた上段者はとてつもなく存在していることも分かる。これは、ぺーぺーとはいえ、少しは実体験があるから分かることだ。(まさに「経験が重要」なのである。by Berryz工房「青春大通り」の歌詞。どれだけ奥の深い、噛めば噛むほど味が出る…。)逆に、自分が本当に下段者に位置づけられるジャンルのことについては、その上段者というものがどういうものなのか、まったく想像がつかない。(例え、少し想像したとしても、それは妄想の域にすらあるか微妙で、少なくともリアリティがまったくない。)

だから、今までのブログにせよ、ここにせよ、軽はずみに分かった風なことを書いてはダメなのである。見る人が見れば容易に力量が透けて見える。

透けて見えちゃった結果は、おそらく無視か、そもそも誰も見てないじゃんとかで、だから、自分で自分に対してツッコミを入れておかねばならない。こういうときに、最近の流行言葉で便利なのがある。色々な文脈の中で、ふくらみをもって使われている言葉だが、本来の意味は、「お前など、なんぼのもんじゃい!」的なものらしい。

「どんだけぇ~!」

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。