都議選候補者のWebサイトを評価する

12日に都議選が迫っています。今回の都議選は次期総選挙の前哨戦とも言われ、いつになく注目されています。今日行ってきた日経1年生の公開録音でも、都議選がテーマになっていました。

私が住んでいる多摩市は、南多摩選挙区。定数2に対して、4人が立候補しています。まだ、誰に投票するか決め倦ねているのですが、候補者のWebサイトを見て回ることにします。
で、見て回るだけだと面白くないので、評価をしてみようと思います。ただ、政策についての評価ではないです。Webサイトとしての評価です。

届出順に見ていきます。

まずは、共産党の遠藤くに子候補(新人)。

サイト「都政を変えたい遠藤くに子」
URL:http://jcpkuniko.blog.ocn.ne.jp/koe/

ブログです。ケータイ対応もしていますが、OCNのブログ人を使っているから対応できているというだけです。RSS対応もしています。これもまた、ブログ人だからです。
見慣れたブログ形式だし、写真(どうやら美人候補の1人らしい)も入っていて見やすいのは良いのですが、肝心の政策がどこに書いてあるかわかりません。ブログの記事を熱心に読めば分かるのかもしれませんが、政策のダイジェストくらいはどこかに置いて欲しいですね。

次。民主党のしのづか元候補(新人)。

サイト「しのづか元 民主党 南多摩(多摩市、稲城市)」
URL:http://www.shinogen.net/

サイト名がやたら説明なのが気になります。独自ドメインも取っているし、見た目的にいかにも候補者らしいサイトになっています。政策もすぐにアクセスできる、ブログもある、ブログの最新記事はトップページにリストされているということで、サイトの出来として良いと思います。デザインとかは、かなり素人っぽい荒削りさはあるけど。

続いて、自民党のこいそ明候補(現職)。

サイト「東京都議会議員 こいそ明」
URL:http://www.a-koiso.com/

こちらも独自ドメインを取っていますね。現職なので、都議会での活動報告が充実しています。議会での質問の様子については、動画も提供されています。
ただ、問題なのは肝心な政策についての記述が、画像を貼っただけで終わっているところ。印刷物をスキャンした画像や、PowerPointのスライドの画像なのです。これだと、視覚障がい者の人は分かりません。他は悪くないのに、この一点だけで超マイナス。

最後に、東京・生活者ネットワーク(民主党推薦)の原田恭子候補(現職)。

サイト「東京都議会議員 原田恭子」
URL:http://harada.seikatsusha.net/

ページを開いてすぐに目に付いたのはQRコード。読み取ってみると、すぐにiモードのブックマーク登録できるようになっています。小技が効いてますね。そのケータイサイトを見てみると、白地に黄色のタイトルというのが気になりますが、PC向けサイトがきちんとケータイ対応している感じで、しっかり出来ています。生活者ネットワークの候補者共通のシステムがあるようです。
PC向けサイトのコンテンツは、政策、活動報告、動画と充実しています。やはりデザインがちょっと荒削りですが、見やすいサイトになっています。

ということで、4人の候補のサイトを見てみました。候補者全員がサイトを持っていたからこそ出来た企画なわけですが、良い時代ですね。公示されると一斉にサイトの更新が止まってしまうのは問題で、公職選挙法の見直しが必要だと思います。

全体的に見て、いちばん政党としての力が弱いはずの生活者ネットワークの候補者のサイトが、最も充実しているのが印象的でした。同党から出ている他の候補者のサイトとシステムを共通化しているのですが、候補者のサイトでデザイン上の個性を際だたせる必要はないと思うし、コンテンツは充実していたし、そもそも経費の節約にもなっていそうだし。さすがに「生活者」の知恵なんですかね?

投票するにあたって、もちろん政策を見ることが重要ですが、サイト(の作り)を見比べてみるというのも参考情報として、良いのではないでしょうか。サイトというのは、候補者が有権者と向き合う方法の一つなんですね。だから、見やすい、充実したサイトを有権者に発信できる候補者、政党というのは、それだけ有権者のことを考えていると思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。