phaさんのセルフブランディング力に引っかかったテレビという既存メディア

以前にこのブログでも書いたことがあるphaさんがテレビデビュー!

っていうか、「ファさん」なんだな。いままで「ピーエッチエーさん」だと思ってた。

で、番組的には、ゆとり教育→ニートが増えてる→phaさん登場→ルームシェアしてます→ネットで月10万稼いでます→お金がないとネットで知り合った人におごって貰ってます→働けよ!→ファさんって何だよ!って流れなんですがね、そもそもphaさんはニートなのか?と。

いや、本人はニートだって言ってるけど、月に自力で10万円稼いでいる人がニートなのか?その定義は絶対におかしい。たしかに、人に雇われて、汗水たらした仕事はしてないだろうけど、そんなこといったら、サラリーマン以外は全員ニートってことになる。(まぁ、汗水たらす部分も考慮に入れると、ブルーカラー以外は全員ニートなんだけど、それはさておき。)

たしかに、月10万円という収入は、ふつうに仕事している人からすると少ないなぁと思うけど、ネットで広告とかで稼いでいるなら成功者の部類。それで、ルームシェアするという企画力とコミュ力を発揮したり、自分をニートだと言い張っておごって貰う作戦をとってセルフブランディング力やら、これもやっぱりコミュ力を発揮して、それなりの生活を営んでいる。

そういう意味で、おごって貰うという部分もやっぱり自分の能力を活用しているわけで、単に親のすねを囓ったりしているだけのニートとはやっぱり違うんだよね。

番組的にニートを叩きたかったのかもしれないけど、だとしたらphaさんを出すのは人選ミス。本当に世の中にいる63万人のニートがみんなphaさんみたいだったら、世の中はもっと良い方に凄いことになってるだろう。

まぁ、たけしさんも本気でphaさんを叩いているというより、「そもそもファさんって何だよ!」って言ってるくらいだから、単に感心しているのかもしれない。

実際、本当にニートを抱えている親御さんが、この番組を見てphaさんのことを知ったとしたら、我が子に「あんたもこれくらいのことはしないさい」って言ってるかもしれない。でも、本当のニートなら、たぶん出来ない。だって、ふつうのサラリーマンの方がphaさんのやってることより簡単なくらいだから。

あとね、番組中にインタビューで出てくるニートじゃない一般人の人たちのコメントだけど、まず間違いなくphaさんのVTRは見てないだろう。もし見た後なら、別のコメントになっていると思う。

そういう意味でも、やっぱり自分たちが作りたいように番組を作って、一般大衆の印象操作をしたいんだなぁと思う。もしかしたら、印象操作をしたいというより、自分たちの持っている概念のまま、実際の世の中を見ることはなく番組を作るだけで、それ以上の興味はないのかもしれないけど。

いずれにせよ、ニートを叩く番組にしたいなら人選ミス。phaさんのセルフブランディング力の餌食になっただけ。これでphaさんがさらに全国区になって、さらに稼ぎが増えるかもしれない。まぁ、そういうギラギラ感を彼が好きなのかは知らないけど。

まぁ、私個人的には、テレビがこうやって適当なVTRを作ってガヤタレが何か言っているような番組をゴールデンで流すくらいなら、モーニング娘。とかが出てくる最初っからみんな虚構と分かって楽しめる番組を作って欲しい。えっ、まぁ、私は往年のハロー!モーニング。とかが復活したら喜ぶだけのハロヲタですけど。出来れば、ベリキュー主役のハロモニなら、尚可。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。