HT-03AユーザとしてXperia発表について語っておく

このブログでもXperiaの紹介映像を掲載したりしていたのですが、日本での発売が発表されたにもかかわらず、書いていませんでした。4月の発売までは、まだ日がありますが、特にHT-03Aとの比較の観点で、印象を書いておこうと思います。

NTTドコモは2010年1月21日、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのAndroid搭載スマートフォン「Xperia」を4月に発売すると発表した。大きな話題を集めるこの端末だが、日本市場を意識した独自のサービス「ドコモマーケット」や、“2台持ち”や“乗り換え”がしやすい新たな料金プランの提供など、日本のスマートフォン市場開拓に対するNTTドコモの本気さが伝わってくる。

引用元: NTTドコモが「Xperia」にかける本気度 – デジタル – 日経トレンディネット.

Xperiaのハードウェアや、Mediascape、Timescapeといった独自の搭載ソフトウェアについては、紹介映像が出た時にもある程度把握出来たので、今回の日本発売の発表での目新しさはない。Mediascape、Timescapeは、見れば見るほど、いかにもソニーっぽいなとは思うが。

CPUがSnapdragon 1GHzと高スペックなので、気にしていたバッテリーは、「Xperia SO-01B」ブロガー向けタッチ&トライイベントに行ってきた!動作ムービー紹介 | memn0ck.comによると、3.7V/1500mAh。いま使っているHT-03Aが1340mAhで、圧倒的にCPUスペックが落ちるにも関わらず1日持たせるのがギリギリであることを考えると、心許ない気がする。これは、発売されてユーザレビューが出回ってみないことには、何とも言えないところだ。

ハードウェア面では、細かいことだがイヤホンジャックが3.5mmの標準的なものになっているのはポイントが高い。HT-03Aでは充電やPCとの接続に使うminiUSBポートに変換アダプタをかませる必要があるので、これは大きな違いだ。

さて、今回の日本発売の発表で、私が強い魅力を感じたのは、以下の2点。

1.音楽配信サービス「mora touch」の開始

レーベルゲートが展開するmoraは、配信楽曲が多く、iTunes Music Store(iTMS)に引けを取らないので、これは期待大。私はいままで、音楽配信はiTMSを使っていたのだが、これを機にmoraに切り替えようかとすら考えた。しかし・・・

DRMの都合上、端末でダウンロードした楽曲をPCに転送したり、PC版のmoraで購入した楽曲を転送したりすることができないというのは、 iTunesと比べ劣る点だ。しかし、AndroidはiPhoneと異なり、元々PCと接続することを前提としたプラットフォームではない。楽曲の価格や購買層にもよるが、Xperiaの特性を考慮すればこうしたデメリットは思いのほか表面化しない可能性もある。

こりゃダメだ。まったくダメだ。
たしかに、電車の中で高校生など若者を見ているとケータイで音楽を聴いていることが多いから、基本的にケータイでしか聴けない着うたフルを買っている可能性もある。(違法配信サイトを使っている方が多いかもしれないが)
しかし、少なくとも私にとってはダメだ。せっかく買った楽曲が、購入したXperiaでないと聴けないというのではダメだ。
それがAndroidプラットフォームの限界というのなら仕方ないのかもしれない。でも、moraというサービスが共通しているわけだから、mora touchで購入した楽曲は、PC版のmoraでも無料でダウンロードできるようにするとか、そういう施策は取れるのではないか。PC版のmoraで買った楽曲をXperiaに転送できるのでも良い。そういうサービスがなければ、ミュージックプレーヤーとしては絶対にiPhoneに勝てない。

2.パケホーダイ・ダブルとBizホーダイ・ダブルの一本化

Xperiaと同時に発表された料金面の施策がそれを象徴している。従来は携帯電話向けの「パケ・ホーダイ ダブル」と、スマートフォン向けの「Biz・ホーダイ ダブル」に分けられていたが、これをパケ・ホーダイダブルに一本化。さらに相手にかかわらずメール送受信が無料となる料金プラン「メール使いホーダイ」で、iモードメールだけでなく、スマートフォンで利用できるmopera Uのメールが適用対象となった。

これはドコモの施策に拍手を送りたい。
最近はケータイ電話機の値段が高い。販売奨励金が減って、本来の値段に近づいただけではあるが、消費者としては「高い機械を買った」という印象が残る。特に分割払いにして、その期間中に機種変更をすると、旧機種の代金をずっと払わないといけないから、なおさらだ。
そうすると、ふつうのケータイとAndroidケータイの2機種を持っているということは頻発する。しかも、ふつうのケータイの残債があるケースも多いだろう。そうなると、人間の欲としては旧機種も使いたくなる。特にふつうのケータイとAndroidケータイでは出来ることが違うから、旧機種を使うことに意味があるのだ。
しかし、現在の料金施策では、それは許されない。目の前にケータイが2台あって、SIMカードを差し替えれば使えるのも分かっているのに、ふつうのケータイでi-mode、Androidケータイで3G通信を行うと、どちらかのパケット料金が青天井になるのだから、使えない。(パケット定額制であるパケホーダイとBizホーダイは、どちらか1つしか契約できないため。)
今回のドコモの施策で、この問題が解決するのだ。いま、ふつうのケータイを使っている人も、気軽にXperiaに機種変更できるだろう。それがドコモの狙いなのだろうが。

私自身、Xperiaには期待している。HT-03Aユーザとしては乗り換えについて何か施策がないかと思うところだが、それがなくても機種変更する可能性大だ。あとはシャープがAndroidケータイを出す予定なので、ドコモから出すようなら比較したいとは思う。

私が参加したというわけではないが・・・。操作の様子と一緒に聞こえてくるユーザトークが面白い。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。