グルーポン型サービスでブームを作り出そう

PomparadeやPikuといったグルーポン型サービスが日本でも広まりつつあります。グルーポン型のサービスとは、24時間から長くても3日間ほどの間に一定の購入者を集めて、特定の商品を安く提供するものです。商品を提供するのはサイト運営者とは別の小売店舗です。小売店舗にとってのメリットはどこにあるのでしょうか。

サイト運営者の利益は小売店舗の利益と無関係

PomparadeやPikuなどのサイト運営者は、小売店舗から手数料を受けとることで利益をあげています。小売店舗が実際に商品を売ったことによる損得とは無関係に、サイトを使ってもらいさえすれば手数料が入るのがサイト運営者の旨味になっています。(サイト間の競争が激化すれば、手数料の形態に変化が出る可能性はあります。)

小売店舗の旨味は

小売店舗としては、グルーポン型サービスに商品を提供する以上はある程度の値引きをする必要があります。その上でさらにサイトの手数料も支払わなければなりません。これで利益が残るのかと不安になります。

うまく活用すれば小売店舗にとっても旨味があります。グルーポン型サービスのポイントは、短期間に一定数の商品がまとまって売れるということです。例えば、赤字覚悟でも売れ残った在庫が一気にさばけるかもしれません。

グルーポン型サービスでブームを作り出す

もっと有意義なのは、これから売り出したい商品を提供することです。短期間に一定数を売ることでブームを起こせる可能性があります。しかも、いまグルーポン型サービスで商品を購入する顧客はネットに詳しく感度の高い顧客と思われます。そうした顧客は商品の購入後にブログやTwitterなどに感想を書くでしょう。グルーポンのような新しいサービスを使ったのだからなおさらです。一時期に同じ商品についての感想が多数出てくれば、ブームが起こったような見え方になるでしょう。あとは、そのフォロワーが続けば、本物のブームが起きることになります。

また、グルーポン型のサービスでは、事前に決めた下限数以下の顧客しか集まらなければ取引は中止になります。上限数も決めておくので、ブームを起こすために当座の赤字を覚悟で商品提供したとしてもその赤字幅は予期したものにおさめることができます。販促費を事前に見込めるのは大きなメリットでしょう。

ちゃんと活用を考える

このように、ちゃんと活用することを考えれば、グルーポン型のサービスは小売店舗の立場でもメリットがあります。しかし、単にライバル店が始めたからなどの理由で安易に乗り出すとデメリットしか出ません。繰り返しますが、サイト運営者は小売店舗の赤字とは無関係に手数料売上が上がるのです。だから無理な営業活動に出てくることも予期されます。しっかり考えて取り組むことが肝心です。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。