Android2.1のXperiaに感じること

2010年4月の発売ほぼ直後から使い始めたXperia。当初はバッテリーの持ちとの格闘があり、それが落ち着いてからは通常運用に入っていたのだが、iOS4のiPhone 3GSに浮気したりとかしていた。

ついにXperiaのOSがAndroid2.1にアップデートされたというので、再び使い始めた。その感触について、iPhoneのことも交えながら書いてみようと思う。

Android2.1のXperiaは実に新鮮だ!

Android1.6から2.1になったXperiaの新鮮さは、iPhone OS3.0からiOS4になったiPhone 3GSのそれを上回る。私がiPhone OS3.0をほとんど使っていないうちにiOS4に移ったからかもしれないが、見た目の変化の度合いが違うのだと思う。

Android2.1ではフォントが一新されているし、色合いが1.6の頃よりシックになった感じがする。1画面に置けるショートカットの数が、4×4から4×5に増えたのは便利だ。その分、一つのショートカットが占める画面上の面積が小さくなったので、引き締まった印象がある。

元々からAndroidユーザだった私がiPhoneを使っていて不満だったことの1つに、ホーム画面にすべてのアプリのショートカットを置かないといけないことだった。インストールしても使用頻度の低いアプリはホーム画面になくて良い。Androidではアプリ一覧とホーム画面が別扱いなので、PCのデスクトップと同じような使い方が出来るのが、私には心地よい。

バッテリーはどうだ?

Xperiaの最大の問題点はバッテリーの持ちだ。購入当初は先に書いたようにバッテリーの持ちとの格闘だった。Android2.1にしてみて、最も気になるのはやはりバッテリーの持ち。まだ、確たる印象は得ていないがそれほど酷くはないかなと感じている。以前は常駐アプリの管理が悪くてうまくスリープには入れず、何もしていなくてもバッテリーがどんどん消費されていた。少なくとも、そういう現象は出ていないように思う。

とはいえ、バッテリーの持ちが良い方とは言えないので、せめて普通のレベルに落ち着けるまでは多少の格闘が必要かもしれない。

最新モデルと勝負できるか?

ドコモでのAndroidのテストモデルであったHT-03Aを引き継いで登場したXperiaは、以後ドコモのスマートフォンを一人で引っ張ってきた感がある。ここにきて、Galaxy S、LYNX 3D、REGZA Phoneと新モデルが続々登場してきた。Xperiaはまだ頑張れるのか?

XperiaはAndroid2.1となって、LYNX 3DやREGZA Phoneと並んだ。CPUはQualcomm QSD8250 1GHzで同じである。意外とXperiaは見劣りしない。気になるのは、LYNX 3DとREGZA Phoneが来春にAndroid2.2へのアップデートが予定されているが、Xperiaはどうか?という点だ。Xperiaはワールドワイドモデルなので、日本でだけ発売されている機種よりは手厚いサポートが期待されるが、どうだろうか。

LYNX 3DやREGZA Phoneにはワンセグやおサイフケータイといったガラケー機能が搭載されており、最大のアピールポイントになっている。こればかりはXperiaがいかに頑張っても追いつけない。とはいえ、今後発売されるAndroidスマートフォンにすべてガラケー機能が搭載されるかというと、それはない。純粋な日本向けモデルであれば多くの機種に搭載されるであろうが、ワールドワイドモデルには絶対に搭載されない。iPhoneにワンセグやおサイフケータイが搭載されないのと同じ理由だ。

Galaxy Sは、同じくワールドワイドモデルなのでガラケー機能はない。しかしGalaxy Sはデュアルプロセッサであり動作速度に関してはXperiaをかなり上回るだろう。また、Galaxy Sは当初からAndroid2.2であり、そもそも2.2になるか分からないXperiaよりはアドバンテージがある。

こう考えると、春モデルのXperiaと最新の秋冬モデルを比べると、確かに見劣りする部分がある。しかし、見劣る度合いはそれほど大きなものではない。先行して単独で発売されてきたXperiaにはドコモスマートフォンでは最多のユーザがいるので、サードパーティによるオプションが充実しているメリットがある。

Android2.2対応を期待するばかりだが、まだまだXperiaも現役で使えそうだ。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。