地震から5日。その自粛は本当に必要ですか

東北地方太平洋沖地震が発生してから5日、首都圏は計画停電の影響はあるものの、平穏な生活を取り戻しつつあります。
その中で相次いで聞こえてくるのは「自粛」という言葉です。

イベントを自粛する、店の営業を自粛する、CDの発売を自粛する、果ては飲み会を自粛するなどなど。
なぜ、自粛する必要があるのでしょうか。
イベントについては、例えばイベント開催中に余震が発生すると混乱する、会場が余震に耐えられないかもしれないといった理由はあると思います。しかし、本当にそういう理由があるのかと首をかしげるような自粛もあるのではないでしょうか。
最も問題と思うのは、「心情面による自粛」、「世間体による自粛」です。
東北や茨城の人は避難所であんなに困っているのに、私たちが楽しいイベントをやっているというのは、申し訳ないとか、聞こえが悪いとか・・・。
はっきり言って、それは何の意味もない。自己満足でしかない。
いや、意味がないこともないのです。むしろ悪い意味で影響がある。
何が悪いかというと、不必要な自粛によって経済が回らなくなってしまうことです。
その自粛がどれだけのマイナスの経済的効果を生むか考えてください。

私なりにいま自分に何が出来るかを考えました。
その結論は、自分は避難所にいる被災者でなく、かといって福島の原発に行って問題を解決することもできない。ならば、ふつうに生活をして経済を回そうということでした。
お金は社会の血液です。お金が回らなければ社会は死んでしまします。お金が回らなければ、被災地が復興することも出来ません。
ちゃんと仕事をして、ちゃんと食べて、ちゃんと遊んでお金を回す。税金を払う、そして余りが出れば義援金を送る。
それで良いと思うのです。

だから、何かを自粛するなら、それが本当に必要な自粛なのか考えて欲しい。
周りも自粛しているからとか、世間体を気にしてということではなく、しっかり意思を持って考えて欲しい。
震災によって直接的に困っていないのならば、経済を回すことこそ自分の使命であると考えましょう。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。