テーマブログとテーマ人ブログ

ブログを長いことやっていて、もうちょっと本格的にブログをやろうとか、ブログの影響力を強くしようといったことを考え始めると、「ブログのテーマは絞るべきだ」という命題に突き当たります。

例えばシゴタノ!の大橋さんがやっているブログ塾でも、“まず「しぼる」、それから考える”と言っているし、あるセミナーでLifehacking.jpの堀さんに質問した時もやはり「テーマは絞ったほうが良い」という回答でした。

ブログを読んでいる立場で考えても、それは正しいと思います。たしかに、いつ見ても別のことが書いてあるブログならGoogleで引っかかった時につまみ食い的に読めば良いし、それがよい記事ならdeliciousなどのソーシャルブックマークに入れておけば良い。つまり、そのブログを定期的に読もうということにはならないわけです。あるブログを見つけて、それを定期的に読もうと思うなら、記事をソーシャルブックマークに入れると同時に、Googleリーダーにも登録するのですから。

では、どういうブログならGoogleリーダーに登録しようと思うのか。それは、自分が興味のあるテーマについて日々書いてそうなブログということになるわけです。故に、ブログのテーマは絞るべきだと。

書き手の立場でも、ブログのテーマを絞ることのメリットはあります。テーマを絞ったブログを続けるということは、そのテーマを追い続け、深く掘り下げていくということと同義だからです。自分自身の知識も洗練され、良い記事の割合が増えるでしょう。良い記事が増えれば、またそのブログの影響力が上がるわけで、良いサイクルが回り始めることにもなります。

ということで、ブログのテーマを絞ろうということには同意するのですが、では具体的にどうすれば良いのでしょうか。

私はどうやら色々なことに興味があるというか、一つのことを続けるのが苦手というか、興味散漫なところがあります。そういう人がテーマを絞ったブログを始めようとすると、興味のあることから一つを選んで、とりあえずブログを始めてみようということになります。1ヶ月くらいは、その絞ったテーマでブログを書けるのですが、そのうち別のテーマに興味が移り、ブログの更新が途絶えるということになりがちです。

自分の興味の向く先というか、頭のリソースの使い分けをうまく出来る人ならば、テーマを絞ったブログを続けることができると思います。しかし、そうではない私のような人は、別の方法を考える必要がありそうです。

その方法として、「テーマブログ」ではなく「テーマ人ブログ」というのがあるような気がしています。

私のGoogleリーダーを見てみると、シゴタノ!やLifehacking.jpのようにテーマが明確で、ブログのタイトルはテーマそのものというブログも多く登録されているのですが、一方でテーマとは関係なさそうなタイトルだったり、個人名そのもののタイトルのブログもまた多く登録されているのです。これは何なのでしょうか。

芸能人のアメブロのように、テーマ云々というよりその芸能人そのものに興味がある場合は別として、どうやらそういうブログを書いている人たちは、その人自身があるテーマを追い求めて生きているのだと思います。だから、その人が書いたブログはテーマブログではないのに、一つのテーマが明確に見て取れるのです。

つまり、ある個人がテーマを絞ったブログを書くという方法と、もう一つテーマを絞った個人が書くなんでもブログという方法もあり得るということです。前者を(狭義の)テーマブログとすると、後者はテーマ人ブログなのです。どちらも、読者からすればテーマが絞られたブログに他なりません。

私自身もこことは別にテーマブログを作るのか、私がテーマ人となってこのブログがテーマ人ブログになるのか、考え・・・迷っているところです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。