キャリアについての悩みは何か1つをモノにしてから

私がいままでブログに書いてきたことを振り返ってみると、キャリアについての悩みを吐露したようなものが多いことに気づきます。今だってその悩みは続いているところもあるし、去年の今頃あたりまでは感心するほど悩んでいます。私の悩み履歴を振り返ると何ヶ月かおきに同じ悩みにたどり着き、同じような解決策を見つけ出し、また同じ悩みにたどり着くというループが見て取れるというのが特徴で、悩みというのはそういうものなのかもなぁと思いつつ、それって私が成長していないからなのかも・・・と思ったりもするわけです。

しかし、そういうキャリアの悩みが続きつつも、転職したりしながらとりあえず仕事と生活を維持出来ているのは、システム開発という領域では一定以上の仕事が出来るからです。悩みを繰り返していても、とりあえず開発の現場に戻ってくれば生活は何とかなる。おそらく、私が何か別の仕事に移るようなことがあっても、きっと開発の経験がベースになるであろうことは違いない。

2000年に社会人になってある開発の会社に就職して、そこで6年半ほど勤めて一人前にしてもらったというのが大きいわけです。とりあえず、ここで1つをモノにすることが出来た。それ以降もなんだかんだ言いながら開発の仕事をやっていて、都合11年ほどこの業界にいて、今があります。

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私は最近、新人や入社2~3年の若手、さらに転職してきたばかりの20代の人を何人か近くで見ているのですが、やっぱりキャリア上の悩みはいろいろあると思うし、実際にそれを聞くこともあります。

キャリアについての悩みは奥深く、人生の1/3近い時間は仕事をしている時間であるということを考えると、重要なことでもあります。ただ、その悩みに入るのは、せめて何か1つをモノにしてからにして欲しいと思うのです。戻ってこれるホームグラウンドのない状態でキャリアの悩みという大海に飛び込むと、本当に人生を壊してしまいかねないのです。

キャリアに関する悩みは1~2日で解決するようなものではなく、悩みから抜け出して具体的な動きを始めても、その成果が出るまでには短くても半年、長ければ何年もかかるようなものですから、結局同じ悩みに戻ってくるようなループに入ってしまうと、気がついたら30代ということもあり得ます。30代になったときに、自分が自信を持って(たとえ好んでいなくても)出来ると胸を張れる仕事がないとすると、その後の人生は思いやられます。

だから、20代そこそこの社会人の皆さんには、最初に就いた仕事が「出来る」と思えるようになるまでは、頑張って欲しいと思うのです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。