さくらのVPSにNagiosをインストール(Nagios Core+標準プラグイン)

さくらのVPS(CentOS6.2 x86_64)にネットワーク監視ツールのNagiosをインストールしました。
Nagiosは仕事で1年以上触っているので、検証用として必要なのです。
Nagiosとプラグインをただインストールして終わりではなく、周辺の環境も整えていこうと思います。

とりあえずNagiosを使おうというのなら、Nagios Coreと標準プラグインをインストールすればそれで終わりです。Apacheと連携させれば、監視結果をWebで参照することができます。ただ、監視の設定はテキストファイルを作らなければなりません。Nagiosは標準では設定系のUIを持っていないのです。(設定をWebでやるためのツールは次回ご紹介します。)

1. ファイルのダウンロード

まず、ファイルを3つダウンロードします。監視結果を表示するWebを日本語化するためにパッチを提供されている方がいますので、ありがたく使わせてもらうことにしましょう。

wget http://prdownloads.sourceforge.net/sourceforge/nagios/nagios-3.4.1.tar.gz
wget http://prdownloads.sourceforge.net/sourceforge/nagiosplug/nagios-plugins-1.4.15.tar.gz
wget http://ftp.momo-i.org/pub/other/nagios-jp-3.4.1.patch.gz

2. Nagios Coreのインストール

tar xvzf nagios-3.4.1.tar.gz
cd nagios
cp ../nagios-jp-3.4.1.patch.gz .
gzip -dc nagios-jp-3.4.1.patch.gz | patch -p1

make作業を行うため、gccをインストールします。
また、Nagios標準WebUIにはネットワークマップを描く機能がありますので、gdが必要となります。標準では導入されていないので、パッケージインストールしておきます。

sudo yum install gcc gd gd-devel

configureのオプションは、とりあえずprefixだけ設定しました。

./configure --prefix=/opt/nagios
make all

makeが成功したら早速インストールなのですが、その前にユーザを作っておきましょう。configureで特に指定しなかったので、nagiosグループのnagiosユーザで動作します。(先にユーザを作っておかないと、インストールに失敗します。)

useradd -d /opt/nagios nagios

インストールは設定ファイル類を含めると何回かに分けて行う必要があります。

sudo make install
sudo make install-init
sudo make install-commandmode
sudo make install-config
sudo make install-webconf

3. 標準プラグインのインストール

次に標準プラグインをインストールします。Nagios Coreを入れただけでは、何も監視ができないのです。
SNMP監視をしたい場合は、あらかじめnet-snmpをパッケージインストールしておく必要があります。

sudo yum install net-snmp net-snmp-devel net-snmp-utils
tar xvzf nagios-plugins-1.4.15.tar.gz
cd nagios-plugin-1.4.15
./configure --prefix=/opt/nagios
make
sudo make install
sudo chmod 755 /opt/nagios
sudo chown -R nagios:nagios /opt/nagios

ここまで済んだら、Nagiosを起動します。install-configで導入された標準の設定ファイルには、localhostの監視をいくつか行うようになっているので、早速監視が始まります。

sudo service nagios start

4. Nagios標準WebUIのための設定、その他

NagiosのWeb(監視結果の参照ができる)を開くために、htpasswdファイルを作成します。

htpasswd -c /opt/nagios/etc/htpasswd.users nagiosadmin

install-webconfで、/etc/httpd/conf.dnagios.confがコピーされていますので、Apacheに読み込ませます。(ちなみに、NagiosのWeb画面はPHPとCGIの組合せで出来ていますので、ApacheでPHPが動くようになっている必要があります。)

sudo service httpd reload

OS起動時にNagiosも起動するようにしておきます。

chkconfg --add nagios
chkconfig nagios on

お疲れ様でした。
次回はNagiosの周辺ツールのインストールをやりたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。