Windows AzureとAmazon Web Servicesの無料範囲を比較する

いままで、さくらのVPSやAmazon Web Servicesは使ったことがあるこのの、Windows Azureは使ったことがなかったので、どんなものか少し使ってみて、その様子をこのブログに書いていきたいと思います。

Windows AzureとAmazon Web Servicesのサービス内容と無料範囲を比較してみようと思います。
Windows Azureの方は、BizSparkの場合とそうでない場合の両方を比較対象として、Amazonとの比較が不公平にならないようにします。

Windows Azureの無料範囲

内容 無料試用 BizSpark
無料期間 90日間 3年間(1年毎に継続手続き)
コンピューティング 毎月750時間(Sインスタンス) 毎月1,500時間(Sインスタンス)
Webサイト 10個 10個
モバイルサービス 10個 10個
RDB 1個 5個
SQLレポート 毎月100時間分 毎月100時間分
ストレージ 35GB(5,000万回のトランザクション) 45GB(1億回のトランザクション)
帯域幅 受信無制限、送信20GB 受信無制限、送信40GB
CDN 送信20GB(50万回のトランザクション) 送信30GB(200万回のトランザクション)
キャッシュ 128MB 128MB
Service Bus 1,500リレー時間および50万メッセージ 3,000リレー時間および100万メッセージ

概ね、BizSparkメンバーは通常の無料試用の2倍の使用が可能となっています。期間については、無料試用だと90日に限定されるので、大きく違いますね。

Amazon Web Services(AWS)の無料範囲

内容 無料利用枠
無料期間 1年間
EC2 750時間(マイクロインスタンス)
EBS 30GB(200万I/O、スナップショットストレージ1GB)
S3 5GB(2万Getリクエスト、2,000Putリクエスト)
DynamoDB 100MB、書き込み容量5単位、読み取り容量10単位
RDS 750時間(マイクロインスタンス)、20GB、1,000万I/O、20GBのバックアップストレージ
SimpleDB マシン時間25時間とストレージ容量1GB
Simple Workflow 実行1,000個、アクティビティタスク、シグナル、タイマー、マーカー合計10,000個と30,000ワークフロー/日
Simple Queue Service 10万リクエスト
Cloud Watch 10メトリクス、10アラーム、100万APIリクエスト
帯域幅 送信15GB

比較してみる

AzureとAWSでは提供しているサービスが異なるので単純比較は難しいのですが、比較できるところだけを挙げてみると、下表のようになります。
AzureではSインスタンス(さらに下にXSインスタンスがある)が提供されるので、最も小さいマイクロインスタンスが提供されるAWSと比べると、メモリなどに余裕があります。
帯域幅もAWSよりもAzureの方が良いですね。

内容 Azure無料試用 Azure BizSpark AWS
無料期間 90日間 3年間 1年間
コンピューティング 750時間 1,500時間 750時間
対象インスタンスのスペック 1.6GHz・1コア、メモリ1.75GB メモリ613MB
帯域幅 送信20GB 送信40GB 送信15GB

それにしてもBizSparkは恵まれてますね。Sインスタンス2台が3年間使えるわけですから。
AWSは1年間無料で使える環境が誰にでも最初は与えられるので、その点は素晴らしいと思います。AzureはBizSparkメンバー以外には、無料試用の90日間しかありません。AWSの1年間と違って、90日だと本当に試用しか出来なさそうです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。