kintoneの機能を眺めてみる(アプリストアとアプリ以外の機能)

ここのところ注力しているサイボウズのPaaSクラウド「kintone」。
昨日は、アプリ機能の基本を見てきました。

続いて、今日はアプリストアとアプリ以外の機能について、見ていくことにしましょう。

アプリストア

kintoneのアプリストアには、サイボウズ自身や他社が提供するアプリが色々と取り揃えられています。
アプリストアのアプリは、アプリの作成画面から「アプリストアから選ぶ」を選択することによって使用可能になります。

日報や案件管理、交通費申請など、とりあえず必要そうなアプリはここから入手して、必要に応じてカスタマイズして使えば良いでしょう。

アプリストアには、こうした完成品のアプリ以外にも、自作のアプリと連携して使うことのできる、いわゆる「ライブラリ」のようなものもあります。

システム連携

既存の基幹システムと連携するためのアプリには、以下のようなものがあります。

  • 奉行シリーズ(得意先連携)
  • SMILE BS
  • SAP
  • スーパーカクテルデュオ
  • 各社販売管理ソフト(弥生販売、販売大臣、PCA商魂、商奉行

帳票出力

例えばサイボウズスタートアップスが提供するプリントクリエイターを使うと、月額6,000円からの固定料金で、kintone上のデータをPDF帳票として出力できるようになります。
プリントクリエイターのサイトを見る限りでは、帳票フォーマットのPDFを読み込ませて、その上にkintoneのデータを貼り付ける方式のようです。

帳票出力アプリには、それ以外にもExcelに出力するものなどがあります。

フォームクリエイターとkViewer

kintoneはユーザ数毎の課金なので、社員全員とか特定の部署全員のように、ユーザ数が把握できる場合は問題ないのですが、顧客や不特定多数のリード(顧客候補)にもアプリを公開したい場合、どうすれば良いでしょうか?

方法の一つは、kintoneが標準で準備しているゲストスペース(後述)を使う方法です。ただ、ゲストにも人数に応じた課金が発生するので、やはり人数が特定出来る場合に使用を限る必要があるでしょう。

そこで使いたいのは、kViewer(提供:サイボウズスタートアップス)です。
ユーザ数とは無関係に、月額6,000円からの固定料金で、kintoneアプリのデータを外部公開できます。
閲覧可能なIPアドレスを制限するか、IDとパスワードでの認証をかけることができ、公開するデータも限定することが可能のようです。

また、同社が提供するフォームクリエイターを使えば、公開Webサイトの問合せフォーム等からkintoneアプリにデータを追加することが出来るようになります。

アプリ以外の機能

最後に、アプリ以外の機能について見ていくことにしましょう。

ポータル

kintoneを契約すると、契約した組織毎にポータルと呼ばれるWebサイトが提供されます。(契約は5ユーザ以上からとなっています。)

このポータルから、作成したアプリや後述のスペースにアクセスします。
アプリでプロセス管理機能を使った場合、その承認依頼などの通知はポータルに表示されます。

参加するユーザを管理(ピープル機能)することも出来ます。

スペース

例えば営業部とか、開発部といった単位でスペースを作ることが出来ます。
スペースには、掲示板機能が備わっているので、スペースに参加したユーザ間でのコミュニケーションが可能です。また、話題毎にスレッドを作ることも出来ます。

アプリ内のグラフを貼り付けたり、スペース毎にアプリを作ることも出来ます。

ゲストスペース

スペースに対してゲストを招くことが可能です。
ゲストは、通常のユーザよりは少し安い料金設定のゲストユーザとして、1ユーザ単位の契約が必要になります。

まとめ

昨日書いたアプリ機能も含めて、まだまだ紹介していない機能もあるのですが、kintoneで何が出来るかについて、ざっと理解することが出来たのではないかと思います。

kintoneは、ユーザ単位の契約を一度行うと、ライトコース(月額780円)では200個、スタンダードコース(月額1,500円)では1,000個のアプリを作ることが出来ます。
また、上記のようにポータルやスペースといった、社内のコミュニケーションの基盤となるような仕組みも提供されます。

採用にあたっては、今後の業務をkintone上で回していくのか?という判断が必要になります。もちろん、kintoneでどんなシステムでも作れるというわけではないので、必要に応じて他システムとの連携などを行っていく必要もあります。

ただ、まずは「出社したら、kintoneのポータルにアクセスする」というような習慣を作っていくのか?それに値するのか?を考える必要があるでしょう。

10人程度までのスモールカンパニーで、他にこれといったIT利活用の基盤がないのなら、とりあえずkintoneを入れて、色々やってみるという選択肢もあります。安いですし。30日間無料のお試しもあるし、最低契約期間も1か月です。

大企業に一斉導入というのは難しいでしょう。他に色々と既存システムがあるだろうし、そこにkintoneも加える必要性は考えづらい。でも、部署単位のシャドーITのような感じで使われることはあるかもしれません。

ちなみに、開発者の方は、cybozu.com developer networkから、開発者ライセンスを申し込むことが出来ます。
スタンダードコースと同様のプランで、5ユーザ、1年間、無料で使用することが出来ます。私も、この開発者ライセンスを申し込んで、色々試しています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。