勘違いしてた!PPMとビジネススクリーンの使い方

この週末は、大学の授業(スクーリング)でした。

私の在学する産業能率大学では、スクーリングの行われる科目は必修科目のことが多く、今回も「情報解釈力を鍛える」という教養系の必修科目です。

ただ、産業能率大学は経営系の先生が多いので、教養系といえども授業のネタや雑談の向く先が経営戦略やマーケティングになることが多いのです。

昨日もそうでした。PPMとビジネススクリーン。経営学を学ぶと必ず出てくるフレームワークなのですが、ビジネススクリーンの使い方を勘違いしていたことに気づきました。

まず、PPMとビジネススクリーンについて、簡単に説明しておきましょう。

PPM

PPM(Product Portfolio Management)は、BCG(ボストンコンサルティンググループ)が作ったフレームワークで、事業を市場の成長率とマーケットシェアで4象限に整理します。
双方の軸における評価は、現時点での数値を用います。

ビジネススクリーン

ビジネススクリーンは、GEとマッキンゼーが作ったフレームワークで、事業を産業魅力度(業界の魅力度)と事業強度(業界内での自社の立ち位置)で9象限に整理します。
双方の軸における評価は、現時点だけでなく将来予測を含めて判断します。

何を勘違いしていたのか

PPMとビジネススクリーンは、教科書では大抵並べて説明してあります。そのため、この2つは同じようなものだと思い込んでいたのです。
縦軸はPPMでは市場の成長度、ビジネススクリーンでは産業魅力度。横軸もマーケットシェアと事業強度です。どちらも似ていますね。

PPMではそれぞれ2分割して全体で4象限を作るのに対し、ビジネススクリーンは3分割で9象限を作ることが違います。
勘違いは、座標の名前と、象限の数くらいしか違いはないだろうと思ってしまったことです。

使い方が違う

最大の違いは「使い方」です。

PPMは、企業における事業のポートフォリオを表現します。だから、各象限にある事業のバランスを取ることを求めます。負け犬はないにこしたことはありませんが、問題児がいないと次のスターは育ちません。金のなる木がないと問題児を育てるための原資がありません。

ビジネススクリーンも、事業のポートフォリオではあるのですが、その目的は「選択と集中」です。産業魅力度、事業強度の両方が高い位置にある事業を選択して資源を集中させ、それ以外の事業については他社に売却する等して撤退するといった検討を行います。

いわゆる教科書レベルでは、この使い方に関する説明はないことが多いのですが、この辺はちゃんと授業に出て、講師の方の話を聞くということが大切だなと思いました。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。