システム内製化支援(要件定義+PaaS)ビジネスモデルにおいて解決しなければならない3つのポイント

先週、ランチをご一緒させていただいた、ござ先輩ことgothedistanceさんが、要件定義+PaaSのビジネスモデルを考えるという記事を書いています。考えていることが同じ方向を向いていることは確認出来たのですが、まだ具体的にどうしていくかで、決め手がないなぁと。私も、さらに考えてみました。

解決するべき3つのポイント

PaaSでどこまで出来るのか

この話のポイントは、「何をITで解決するか」についてきちんと考えることに注力するけれども、「どうやってITで解決するか」については極力ツールを使って、できるだけ専門のプログラマ不要で、ごく僅かな工数で実現していくということです。

そのためのツールとして期待しているのがPaaSなのですが、このブログでも再三取り上げているKintoneは確かに簡単だけれどもできることに限りがある(ちょっとしたロジックを作るためにJavaScriptが必要になる)、Force.comはパワフルだけどプログラマ不要とは言い難い。あとは、ござ先輩が取り上げているWagbyとか、こちらの記事で取り上げたOutSystems Platformとかですね。コマは出揃いつつあるけれど、帯に短したすきに長しというのが現状だと思います(まだちゃんと調べていないツールとか、まだ私が知らないツールもあると思います)。

ただ、その辺は時間が解決してくれるかもしれない。そのために、どんな機能が必要なのか?という声は上げていった方が良いだろうとは思います。

内製するエンジニアとは誰なのか

このビジネスは外部のエンジニアをどばどば投入するようなビジネスモデルではありません。内製化をできるようになることが目的のひとつ(その先にある究極的な目的が業務の継続改善であり、市場変化への迅速な対応です)であり、ユーザ企業の中に人を準備していただく必要がある。

それはエンジニアを雇うということでも良いのですが、中小企業でエンジニアの仕事が継続的に存在するのかという不安もある。だから、いまその企業で通常業務をやっている方が、そのまま必要に応じて内製するエンジニアとしての役割も担えるようになるのが望ましいわけです。

さらに言えば、それをITだからといって新入社員に押しつけるのではなく、次代の経営層を担うような中堅層から選ぶのが望ましい。なぜなら、内製化するというのは単にPaaSツールの設定をしたり、ちょっとしたプログラミングをするというだけのことではないからです。その作業の前提となる業務改善の検討・設計が重要なのであり、それは決定権も必要になってくる話だし、目前の業務をちょっと離れて高い視点から自社の業務というものを眺め、より良い方策を考えるということですから、何より経営者になるためのトレーニングになるのです。

つまり、そういう企業にとって重要な人材を投入することの意味、成果をきちんと出せる仕組み、それを経営者の方に納得していただける方法が必要となります。

それはどういうサービスなのか

ビジネスモデルやサービスの内容について、上記のように、おぼろげにはそれがどういうものか見えてきています。では、それをこのサービスを提供する先となる中小企業のお客様(ユーザ企業)、特にその経営者の方が理解し、魅力を感じ、お金を出そうと言っていただけるには、どう説明すれば良いのか。

A4・1枚のペーパーくらいで説明できるようにならないと、ビジネスモデルとしてはダメなわけです。それを作っていかねばならない。

これからやりたいこと

まずは、上記の3つの解決ポイントをクリアして、形にして、成功事例を作っていきたい。

その上で、こうしたサービスをひとつの市場として立ち上げるには、参入者を増やしていかなければなりません。それには誰が良いのだろう。参入者とは誰だろう。

それは、いまSI企業の中で業務システムを作っている皆さんだと思います。いま業務システムを作っているエンジニアの皆さんは、設計スキルがありプログラムスキルもある。あとは、そこに経営視点を追加して、外の世界に飛び出してきて欲しい。

このビジネスモデルが上手くいったならば、エンジニアの世界には、いわゆる士業やコンサルタントと同じような個人で勝負できる世界が加わります。その世界に参入する人を増やしたい。

そんなことを考えています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。