IoT推進ラボの第1回会合を傍聴してきました

昨日(10月30日)は朝7時から、虎ノ門の経済産業省に行ってきました。

あくまで、傍聴です。IoT推進ラボの委員の顔ぶれは、座長の冨山和彦氏(経営競争基盤・代表取締役CEO)をはじめ、そうそうたるもので、ワークグループの中で発言できるのは委員の方々だけなのですね。だから、その他大勢は傍聴だけなのであります。

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でも、役員の方々の発言を聞いていると、なかなか熱気のあるもので、私のような小さな会社をやっている者にでも参考になるものでした。

一応、議事は会員の中に留めるということになっているので、どこまで書いて良いか分からないのですが、メディアの報道では下記のような記事が出ています。

会員同士のマッチングをする機会を設けてビジネスアイデアの創出を促進するのに加え、「ラボ3原則(案)」にもとづいてプロジェクトを採択し、「資金」「規制改革」の両面から支援をする。また、大規模な社会実装に向けた規制改革や制度形成などの環境を整える。検討段階のラボ3原則は、(1)成長性・先導性、(2)波及性・オープン性(成果物を標準化、社会実装化しやすいかなど)、(3)社会性(地域社会課題の解決)の3点。

支援するプロジェクトを選ぶ「ドラフト会議(仮称)」では、規模に応じて、IoT推進ラボでプロジェクトに対するアドバイスや規制や制度に関して政府に提言するIoT支援委員会(後述)のコアメンバーと、有識者や専門家らが審査をする。2015年度内にプロジェクトの初回採択を目指すという。

議事は概ね上記のようなものでしたが、委員の発言の中では孫泰蔵氏が「スピード感」について非常に切迫した意見を述べていたこと、アクセンチュアの程近智氏などグローバル企業に所属する委員の皆さんが「グローバルの方針の中で日本をその実験場とさせること」が極めて困難な現状であること、それにIoT推進コンソーシアムの会長を兼ねる村井純氏が「失敗を許容する文化」を作ることの重要性を述べていたことを申し添えておきます。

コンソーシアムやワーキンググループの名称には「IoT」と入っています。
しかし、実際はIoTだけでなく、+ビッグデータ+AIという感じで、つまり大量のデータを収集し、人工知能も用いてうまく活用することで、いかに社会構造を変えていくことが出来るか、そのためのビジョンをどのように作り、プレーヤーをどう発掘し、育て、社会実装を実現していくか(実社会で試しつつ技術を進化させていく)ということがテーマなのだと感じました。

議論の中では、経済産業省だけでなく総務省も入っているのは非常に珍しいことなので、それを活かして欲しいという発言もあり、中央官庁における縦割りの実態も垣間見たような気もしました。

ということで、今後もラボの活動や、IoTの動向について注視していきたいと考えています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。