せっかく発売初日に入手できる予定だったiPhone 7をキャンセルした理由

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昨日の16時1分からiPhone 7/7 Plusの予約が始まりました。私もさっそくiPhone 7の128GBモデル、色はブラックを予約し、Apple Store 渋谷で発売初日に入手できることになりました。

が、今、キャンセルしました。

予約してから、どうしようかといま一度考えていたのですが、結局、キャンセルということに。その理由は何なのでしょうか。

Apple Pay版Suicaへの不安

私も今まで何度もiPhoneを使ってきました。つい最近もiPhone SEを使っていましたし。でも、iPhone旧機種→iPhone新機種という機種変更はしたことがなく、常に間にAndroidを挟んでいました。それもASUSやHuaweiといったメーカーの製品ではなく、常に国産メーカーのAndroid。おサイフケータイの存在がその理由です。

iPhone 7でついにSuicaが使えるようになります。ただ、おサイフケータイの仕組みがiPhoneに載ったのではなく、Apple Payの仕組みの中にSuicaが入った形。もちろん、ハードウェア的にFelicaチップが載ったというトピックはあるのですが、ソフトウェア的なスキームはApple Payであるとのことです。

Apple Payに登録されたSuicaは、後日提供されるSuicaアプリを通じてチャージできる。その際、iPhone 7のApple Payにクレジットカードが登録されていれば、iPhoneだけでSuicaにチャージでき、また定期券の更新も可能だ。

東洋経済のこの記事が気になりました。おサイフケータイのモバイルSuicaでは、JR東日本の発行するVIEWカードが優遇されてはいますが、ほとんどのクレジットカードでチャージなどをすることができました。しかし、Apple Pay版のSuicaでは、Apple Payに登録したクレジットカードでチャージできるとのこと。では、Apple Payに登録できるクレジットカードとは何なのか。

Applepay credit

VISAがない。

VISAがない。

VISAがない!

三井住友カードなどVISAを発行している会社には対応しているのですが、VISAブランドのすべてのクレジットカードが使用可能なわけではないということが重要です。つまり、私の持っているクレジットカードでは、唯一ドコモのd cardがあるので使えはするのですが、メインで使っている方のカードは登録できないのです。おサイフケータイ版のモバイルSuicaなら使えたのに・・・。

また、現時点では楽天Edyが対応していません。Suicaが対応できるくらいだから楽天Edyも対応できるでしょうが、このチャージ問題は同じになる可能性があり、まだまだAndroidでおサイフケータイを使っている方が便利なようです。

イヤホンジャックがない

分かった上で予約したことですが、iPhone 7にはイヤホンジャックがありません。その分、スピーカーの音量が2倍になったそうなのですが、別にiPhoneでスピーカーの音量に困っていたわけでもないし。イヤホンジャックがなくなった分だけ薄くなったかというとそうでもないし。

Apple純正のBluetoothイヤホンを使えということでしょうし、Lightningとイヤホンジャックの変換アダプタも同梱されるそうなのですが、いまひとつ首肯できない!

というのは、9月に入ってからスポーツジムに通い始めていて、トレーニングしながら、スマホで音楽を聴いたり、動画を観たりということをやっているのです。その際、イヤホンをスマホに挿せば音楽が流れ始めるというのは非常に便利なのです。

Bluetoothイヤホンだと充電の問題がありますし(充電が必要なデバイスをあまり増やしたくない)、変換アダプタ経由のイヤホンの使用は、以前、Androidでも経験したことがありますが、ケーブルの途中に重心が来るので絶対に不便です。

値段が高すぎる

これもスポーツジムでの話になりますが、ジムでトレーニングしながらスマホを使っていると、よく落とします。落としちゃうんです。

いま使っているスマホ(arrows M03)だと3万円くらいのデバイスなので、少々手荒に扱っても・・・という気にもなりますが(他にも理由があります。後述)、iPhone 7は9万円。んー、9万円のデバイスをよく落とすのはショックがデカい。

それに、iPhoneは毎年新機種が出るし、特に来年はiPhone登場10周年ということで、大幅なアップデートがあるのではないかと予想されています。今回のiPhone 7は基本的にFelicaが載ったという以外はスペックが伸びたというだけで、大きな進化があったわけではありません。となると、ここでiPhone 7を9万円出して買っても、また来年欲しくなる可能性が高いわけです。

やっぱり高いよね、iPhone。どうせ毎年出すのなら、サブスクリプションモデルにならないものだろうか。

(ちなみに、ここでの価格の話はSIMフリーモデルの前提です。キャリアモデルだといわゆる実質負担金がいくら・・・という話になりますが、総務省の指導もあって0円端末は出ないようです。)

Androidのことも押さえておきたい

お仕事的に、iOSアプリの開発をやっているのでiOSデバイスの使い心地は押さえておくべきなのですが、まぁそれはiPadは常用しているし・・・。一方、世界に目を向けるとAndroidの方が圧倒的にシェアが高いわけで(日本は逆ですが)、Androidの動向も押さえておきたい。

ここでスマホをiPhoneにすると、常用しているAndroidデバイスがなくなってしまうので、それも何だかなぁと思いました。

arrows M03が神機になっている

ここでiPhone 7を入手すると、せっかく神機になっているarrows M03を手放すか、少なくとも常用デバイスではなくなることになります。神機なのに、惜しい。

先ほど、arrows M03は3万円ほどだから落としても惜しくない的なことを言いましたが、惜しくない理由は他にもあって、arrows M03がMILスペックに準拠しているからなのです。iPhone 7で防水性能が上がったことが取り上げられていますが、arrows M03は国産スマホだけに防水・防塵は当たり前、その上、耐衝撃などのMILスペック(米・国防総省に納品できるスペック)です。

実際、スポーツジムに通い始めて、既に何度か落としているのです。画面に貼り付けてあるガラスに少し傷が入ってしまいました。でも、本体保護ケースをつけていることもあって、arrows M03本体は無傷を保っています。

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あと、まぁ、これですね。Androidといえばウィジェット。未だにiOSではこれができません。
使ってみると便利ですよねウィジェット。

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あと、これ。「電話帳ナビ」というアプリです。
私は会社にかかってくる電話をスマホに転送しているので、「社長様はいらっしゃいますか?」とか「人事担当者様は・・・」というテレアポがよくかかってきます。まぁ、ウザいんですけど、電話帳ナビのようなアプリがあれば大丈夫。クラウドに寄せられた口コミを元に迷惑電話か否かを判断し、ワンコール程度で電話を切ってくれます。

iPhoneにも類似のアプリはあるのですが、iOSの制限がきつくて、アプリで電話を切るということができないのです。なので、自分で電話を切るか、相手があきらめるのを待って、どこからの電話だったのかを調べることしかできません。

iPhone 7にすると、また、あのテレアポ地獄が待っているかと思うと・・・。

しばらくしたら買うかもしれない?

というわけでiPhone 7をキャンセルした理由を書き連ねてみました。
いや、iPhone 7、良いガジェットだと思うんですけどね。別にディスりたいわけじゃなくて。

Apple Payの対応クレジットカードの件も、そのうちVISAも対応するんじゃないかとも思いますし。
なので、今後も絶対に買わない!とは言いません。半年くらいして、状況が見えたときには買うかもしれませんし。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。