ITC Conference 2018に行ってきました

昨日(11月16日)から今日の2日間、西新宿にあるベルサール新宿グランドでITC Conference 2018が行われています。

ITC Conferenceは、私たちITコーディネータ(ITC)にとって年に一度行われる最大のイベントです。残念ながら今年は2日目の今日は参加出来ないのですが、昨日の1日目は参加しました。

私がITコーディネータになったのは2015年のことですが、その時から毎年参加しています。

ITCがつなぐデジタル変革新時代

今年のテーマは「ITCがつなぐデジタル変革新時代」ということで、基調講演はアクセンチュア株式会社福島イノベーションセンター長の中村氏から、アクセンチュアの会津若松での取り組みが紹介されました。

アクセンチュアは震災後の2011年に福島イノベーションセンターを設立以来、官民を挙げた取り組みを進めており、市民を巻き込んでデジタルシフトによる地方創生を進めているとのこと。

ヒューマンセントリックで、いかに行政の論理ではなく市民の目線として仕組みを作るか。市のWebサイトや市政だよりは本当に市民に届いているのか。データに基づいたリコメンデーションをいかに市民が必要とする形で提供するか、行動変容をもたらすほどのデータの見せ方とは何か。

といった、地域に溶け込んだデジタルシフトのあり方を伺うことができ、私も最近は行政の方とお話しすることがあるので、非常に参考になりました。

デジタル変革とは?

デジタル変革とかデジタルトランスフォーメーション(DX)とか言われている昨今ですが、その捉え方は人それぞれだと思います。その言葉自体がバズワードかもしれないし、だとしたら定義なんてあやふやで当たり前です。

ただ、会津若松での取り組みを聞いていると、データがもっと活用される社会、データがもっと身近になる社会のことかなという気がしました。ITという技術が生まれて以来、ずっとデータを活用するための技術として存在したと思います。そこに、様々なデータを取得できるIoTと、膨大なデータを処理できるコンピュータ性能さらにAIといったものが登場して、データの重要性が改めて注目されているのが、現在のビッグデータやIoT・AIのブームでしょう。

膨大なデータを取得し処理する際に、より人間に寄り添った見せ方や使い方をするスマートさを付け加え、実際に人間の行動変容を促していく。それがデジタル(による)変革なのかという風に思います。

PGLに立ち返る

冒頭のITコーディネータ協会の澁谷会長の挨拶、元富士ゼロックス専務の土屋氏の講演からは、何のためにITを導入するのか?ITは目的ではなく道具であるという、ITコーディネータの原点を再確認することができました。

PGL(プロセスガイドライン)は、ITコーディネータにとって憲法のようなもので、資格試験もPGLの内容から問われます。PGLで謳われているのはITの導入方法ではなく、経営の中でITをどう位置づけるか、導入したITをどう活用し、その成果をいかに評価して次の改革につなげていくかということです。

デジタル変革においてもその考え方は同様のことで、ヒューマンセントリックで考えること。IoTやAIを使うこと自体が目的ではなく、それで社会の何が良くなるのか?ということから、考えを起こしていく必要があると感じます。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。