Surface Go LTE Advanced ファーストインプレッション

たのメールの法人版に注文していたSurface Go LTE Advancedが、発売日から1日遅れで届きました。
箱には「法人および教育機関向け。」というシールが貼ってあって、個人では買えないということが強調されています。もちろん、このSurface Go LTE Advancedも法人で買ったものです。

開封の儀

映り込みが激しいのはご愛嬌ということで、箱を空けてみました。

本体を取り出すと、SIMピンと簡単な説明書、ACアダプターが入っています。この辺はApple製品と大差ないですね。

これですべてです。小さなSurface Goですが、横に並べたACアダプターも小さいですね。Surface Goの充電はACアダプターからはSurface Connectか、USB-Cで行います。Surface Connectは以前のMacBookシリーズのようにマグネット式で本体に接続されます。

USB-Cはいろいろつながる!

基本的にMacBook Proを使っているので、USB-Cの周辺機器をいろいろと持っています。Surface GoにもUSB-Cポートがあるので、試してみました。

まず、最初に試したのがUSB-CポートとHDMIに対応したディスプレイを直結できるこのケーブル。何の問題もなく動作しました。

次は、こちら。普段、MacBook Proを自宅でクラムシェルモードにして使う時に使用しているHDMI出力とUSB-PDに対応したハブです。こちらも問題なく使用でき、充電も行われているようでした。

これはMacBook Proを持ち出しているときに使っている、HDMI/VGA/LANに対応したIO DATAが発売しているアダプタ。Macで使用するときはデバイスドライバの導入が必要です。これも、Windows 10用のデバイスドライバを導入することで使用できました。

ところで、Surface Goを使っていて気づいたのですが、OSがWindows 10 Sだと思っていたのですが、何もしなくても、どんなアプリでもインストールできます。調べてみると、最初からWindows 10 Proでした・・・。

最後はこちら。USB充電可能な電源タップです。給電は2.4Aで、USB-Cケーブルは3Aまで対応したものを使用しました。結果は撃沈。いちおう充電している素振りにはなるのですが、しばらくすると放電状態に変わりました。昨晩使いすぎてバッテリー残量1%までいったところから、夜中ずっと給電してみたところ、朝になってやっと25%が充電されたという程度。いちおう、使用状態でなければ充電は可能なようですが、気休め程度にしておいた方が良いでしょう。USB-Cからの充電はUSB-PDに対応した充電器が前提になるかと思います。

通常、USB-C ポートを使って Surface を充電できます。ただし、使う電源アダプターやケーブルによっては USB-C ケーブルによる充電にかなり時間がかかる場合があるため、Surface に付属する電源ケーブルを使うことを強くお勧めします。

Microsoftの公式サポートサイトを見ると、上記のような説明が行われているので、基本はSurface Connectから。

Surface Go LTE Advancedはあくまでもパソコン

1日程度使ってみて思ったのは、Surface Goはタブレットとして本気で使ってみたいフォームファクターでありながら、あくまでもパソコンであったということです。まだ、Surface Penもキーボードも購入しておらず、あくまで素のタブレット状態で使ってみたのですが、思い出すのはLet’s note CF-RZシリーズを使っていた頃のこと。CF-RZはディスプレイ部分を360度回転させると分厚いタブレットになるというもので、あくまでパソコンとして(しかもメインのパソコンとして)、タブレットは余芸扱いで使っていました。Windows 10はあくまでパソコン用OSであり、CF-RZのそうした立ち位置こそが本筋なのではないかと思います。Surface Goのフォームファクターがたしかにタブレットですが、キーボードとマウスを接続してパソコンとして使ってあげた方が本望なのではないか。それが1日使ってみた感想です。

考えてみると、iPad ProにSmart Keyboardを取り付けた佇まいはパソコンに似ています。iPadにはiOSというOSが入っていますが、これがmacOSだったら良いのに・・・と思ったことは1度や2度ではありません。しかし、AppleはiOSとmacOSの統合を明確に否定しています。

その点、Surface Goは先行くデバイスだと思っていました。特にLTE AdvancedはLTE接続にも対応しているため、まさにタブレットであり、かつパソコンだと。しかし、今度はWindows 10のタブレットOSとしての出来が気になってきます。タブレットのような使い方で、指でWebブラウズしてみたところ、Chromeだとスクロールに引っかかりを感じました。Edgeだと比較的快適に使えましたが、それでもiPadとは比べものにならない不快さでした。OSやその他のアプリの動作についても、我慢が強いられます。

それはPentium Goldという比較的非力なCPUゆえかもしれません。Surface Go LTE Advancedは、8GBのメモリに128GBのSSDなので、足を引っ張っているのはCPUに違いありません。もしかすると、パソコンとしてなら多少の引っかかりなどは気にならないのかもしれない。それは、いままでのパソコンの使用経験の中ではそのような我慢がある程度は当たり前だったからでしょう。しかし、iPad Proを日常的に使っているタブレットとしての使い心地の期待値は思ったよりも高いところにあったのだと思います。そう考えると、Surface Goにタブレットの使い心地を求めるのは荷が重いのかもしれません。

macOSとiOSは統合しないというAppleの決断は、少なくとも現状においては妥当なのだろうと思います。

これから、どうする?

このSurface Goは会社で買ったもので、個人のデバイスではないのですが・・・。

正直に言えば、このSurface Go LTE Advancedが期待のすべてを満たしてくれるのか、さらに期待を上回ってくれたのかと言えば、それは首肯しがたいのです。まだ、Surface Penもキーボードも試していない中で論評するのは筋違いかもしれませんが、私はパソコンを買ったのではなく、パソコンとしてもタブレットとしても充分な満足度をもたらしてくれるデバイスとしてSurface Go LTE Advancedを買ったのです。だから、タブレットとしての満足度が不十分ならば、やはり期待どおりと言うことはできないのです。

日常業務においては、いままでと同様にMacBook ProとiPad Proの2台持ちが必須となりそうです。後はちょっとした外出時ですが、iPad ProとSmart Keyboard(さらにApple Pencil)を持ち出していたのを、Surface Goに変えるか?

この記事に書いたように、持ち出しデバイスをApple以外のものに変えるなら、ワークスタイルを変えていく必要が出て来ます。そこまでのことをやるのか・・・?もう少し考えてみたいところです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。