2026.07.12 · 経営としくみ

業務AI化マトリクスをもっと整理

先日、手書きの業務AI化マトリクスを示したのですが、清書しつつ、改めて考えてみました。それを、7月9日の課題解決EXPO 西日本DX推進フェアでのセミナーでもお話ししました。

考え方は先日のものと同じで、縦軸が処理の定型性、横軸が業務頻度です。
清書して綺麗になったのは良いのですが、さらに考えたポイントとしてあるのは、AIエージェントについてと、AIによるコード生成の2点です。

AIエージェントの期待値調整

最近あった企業の支援活動の中で、いくつかの気づきがありました。1つはAIエージェント煮対する高すぎる期待です。上図でもAIエージェントは、基本的にはシステム開発が必要になる組織内AIエージェントと、Claude Cowork(及びCopilot Cowork)や、ついに登場したGPT Workといったデスクトップワークをこなしてくれる汎用AIエージェントに分けて書いてありますが、いずれにせよ業務の定型性はそれほど高くないことが前提です。定型性が高いならAIじゃなくて従来からのITシステムとかRPAの方が良くて、そうしたシステムの中でAIを呼び出す程度(つまり上図の右上領域)の方が、動作の高速性とか、余計なトークンコストがかからないといった面で良いはずです。AIエージェントは、あくまでシステム化するより処理の定型性が低く、システム化が向かないものが適用対象になると思います。

AIによるアプリ開発が現場にも浸透しつつある

もう1つは、AIによるコード生成、アプリ開発が思ったより中小企業で一般化していることです。システム開発をずっと生業としてきた人間からするとマジか!と思うところもないわけではないのですが、データの長期保存の必要性が低いとか、システム連携のような高度なIT機能を必要としない場合は、1台のPCだけ、1台のスマホだけで動くアプリをClaude CodeやOpenAI Codexなどで作るということが、非ITエンジニアであってもできてしまうし、実際にやっている企業がいくつもあるということです。

ある意味、上図の上の真ん中から左上あたりの領域となる、処理の定型性がある程度高いものの、業務頻度が低かったり、そもそも予算がなくてIT化できていなかったような領域は、従来からのITエンジニアはあまり真剣に取り組んでこなかったし、せいぜい現場でマクロを組んでどうにかする程度の業務が、AIによって本格的なアプリになっている現実があります。

いや、データのバックアップは?スマホアプリのデータをPCで見なくて良いの?認証は?セキュリティは?など、ツッコミを入れようと思えば、いくらでもツッコミができるのですが、実際にそのアプリが業務で便利に使えています!と言われてしまうと、「良いですね・・・」と言わざるを得ず、そうしたツッコミポイントは私たちがプロとしてフォローしてあげる場面であって、決して否定する場面ではないでしょうと。

AI活用は思ったとおり、思った以上に進んでいる

ということで、AI活用はどんどん進んでいて、既にチャットとRAGだけの世界では止まりません。こんなに早く進むのか?という思いもありますが、きっとそのスピード感で進むんだろうな・・・という意味では、思ったとおりなのであります。

こう言っては何ですが、弊社(VIVINKO)のAIツールである「Gen2Go」が、基本的にはチャットとRAGのツールであって、「Gen2Goの世界に止まってはいけない」と、ある研究会で数ヶ月前に言ったのですが、それも思ったとおり、言ったとおりなのです。

2026/07/12 23:22
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井上 研一
経済産業省推進資格ITコーディネータとして中小企業のDX・AI活用の現場で伴走支援を行う。「ITCプロセスガイドライン4.0」および「中小企業向けAI活用ガイド」執筆メンバー。著書・講演多数。ITエンジニアとして25年以上の実務経験。AI導入の実務に10年以上携わる。自ら開発したAIサービス「Gen2Go」が北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。2026年4月より北九州市立大学大学院マネジメント研究科の学生としての顔も持つ。

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