オープンソースのジョブ管理システム「SOS JobScheduler」をインストール

※2013年7月にリリースされた64bit版JobSchedulerのインストール記事をこちらに書きました。

前回、オープンソースのジョブ管理システムとしてSOS JobSchedulerを紹介しました。

今回はインストールの方法を説明します。
環境はVMWare FusionのVM上にインストールしたCentOS 6.3 (i386)です。
JobSchedulerはデータをMySQL等のデータベースに保存するので、MySQLもインストールしておきます。
また、JobSchedulerのインストールではGUIを使うので、GNOMEもインストール済みという状態から始めます。

Javaのインストール

JobSchedulerのユーザインタフェースの多くはJavaで出来ています。(デーモン自体はCです。)
そのため、Javaをインストールする必要があります。念のため、openjdkではなくOracle(Sun)のJDKを使うことにしました。

Oracle JDKのダウンロード

chmod 755 jdk-6u37-linux-i586-rpm.bin
./jdk-6u37-linux-i586-rpm.bin

java -version
java version "1.6.0_37"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.6.0_37-b06)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 20.12-b01, mixed mode, sharing)

MySQL JDBCドライバのダウンロード

JobSchedulerのパッケージにはMySQLのJDBCドライバは入っていないので、別途ダウンロードして解凍しておきます。

MySQL Connector/Jのダウンロード

tar xvzf mysql-connector-java-5.1.22.tar.gz

MySQLにschedulerデータベースを作成

mysqlコマンドやphpmyadminなどで、scheduler用のデータベースを作成しておきます。
中身は空で構いません。

JobSchedulerのダウンロード

JobSchedlerのダウンロードサイトから、最新バージョンのLinuxのFull Installをダウンロードします。

JobSchedulerのインストール

JobSchedulerのインストーラはrootだと起動できないので、schedulerユーザを作ってそこで実行することにします。デフォルトでは、schedulerユーザのホームディレクトリに設定ファイルやログが保存されます。

sudo useradd scheduler
passwd scheduler ←パスワードを設定しておく

su - scheduler
tar xvzf scheduler_linux.1.3.12.2324.tar.gz
cd jobscheduler.1.3.12.2324/
./setup.sh ←rootのパスワードを聞かれるので答えます

  1. 言語の設定(英語かドイツ語から選択) →英語を選択
  2. ライセンスの選択(GPLかサポート付の商用ライセンス) →GPLを選択(商用使用でもGPLで可)
  3. GPLのライセンス承認 →I accept…
  4. インストール先の指定(デフォルトは/opt/sos-berlin.com/jobscheduler)
  5. 設定ファイルとログの保存先の指定(デフォルトは/home/scheduler/sos-berlin.com/jobscheduler)
  6. インストール内容の選択 →とりあえず全部選択する
  7. ネットワーク設定 →JobSchedulerのコンソール等にアクセス可能なIPアドレスを指定(0.0.0.0で全許可)
  8. クラスター設定 →standaloneを指定
  9. メール設定 →とりあえずデフォルトのまま
  10. メール通知とイベントハンドラの設定 →とりあえずデフォルトのまま
  11. JobScheduler自身のアップデートサービスの設定
  12. データベース設定 →あらかじめ作成しておいたユーザとデータベースを設定する
  13. JDBCドライバの選択 →あらかじめダウンロード・展開しておいたJDBCドライバ(mysql-connector-
    java-5.1.22-bin.jar)を選択する
  14. Cronジョブ設定 →user crontabを選択

ここまで設定すると、インストールが開始されます。
最後にJobSchedulerが起動されるので、インストーラを終了後、Webブラウザでhttp://localhost:4444を開いてみましょう。
JobSchedulerの画面が開いたでしょうか?この画面がジョブの実行や結果参照を行うJOC(JobScheduler Operations Centre)です。

 

また、JOE(JobScheduler Object Editor)も開いてみましょう。

/opt/sos-berlin.com/jobscheduler/scheduler/bin/jobeditor.sh

最後にJobSchedulerを終了しておきます。

/opt/sos-berlin.com/jobscheduler/scheduler/bin/jobscheduler.sh stop

起動時は、stopの代わりにstartです。

これでJobSchedulerのインストールは完了です。お疲れ様でした。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。