さくらのIoT Platform βを試してみる(その3)データの蓄積

前回の記事では、Arduinoで取得した気温と照明のセンサーデータをさくらのIoTでクラウドにアップして、WebSocketで見えるようにするところまで作業を進めました。

そのあと、MQTTも試してみたのですが、いまのところ、どうも上手く動きません・・・。
そこで、WebSocketで取得できるデータをIBM Bluemix上で動作しているNode-REDで処理してCloudantに蓄積するところまで、やってみました。

Bluemix上でNode-REDを動かす

BluemixではNode-REDが簡単に動作します。後でCloudant(NoSQLデータベース)も使うので、Internet of Things Platform Startarというボイラープレートで簡単に環境構築できます。

このボイラープレートでは、Node-REDの動作環境となるCloud Foundaryアプリの他、CloudantとWatson IoT Platformという2つのサービスが自動的に追加されます。

本当は、Watson IoT PlatformでMQTTを受信してCloudantに蓄積するという流れをNode-REDで作りたかったのですが、そこは断念・・・。

Cloudantに蓄積するNode-REDフロー

ざっと、こんな感じのフローをつくります。

arduino_sakuraというノードはWebSocketの受信です。msg.payloadにWebSocketで受信した内容(JSON)が入っているので、jsonノードでJavaScriptオブジェクトに変換します。
さくらのIoT PlatformのWebSocketは、実際の値がセットされているメッセージ以外に、接続維持用のメッセージも流れてくるので、switchノードで後者を捨てます。msg.payload.typeがchannelsは前者、keepaliveが後者のメッセージです。

convertファンクションが肝心です。下記のようなコードを書きます。

var temperature = null;
var light = null;

for (var i = 0; i < msg.payload.payload.channels.length; i++) {
  var data = msg.payload.payload.channels[i];
  if (data.channel == 0) {
    temperature = data.value;
    break;
  }
}

for (var i = 0; i < msg.payload.payload.channels.length; i++) {
  var data = msg.payload.payload.channels[i];
  if (data.channel == 1) {
    light = data.value;
    break;
  }
}

msg.payload = {
  "module": msg.payload.module,
  "datetime": msg.payload.payload.channels[0].datetime,
  "temperature": temperature,
  "light": light
}

return msg;

Arduino側からは、いくつかのデータをまとめてクラウドにアップする形になっているので、channelsが複数まとめて来るのですが、気温(channel:0)と照明(channel:1)の先頭だけを取得する形にしています。

最後のsakura_iotノードで、Cloudantに格納しています。

Bluemixのコンソール画面からアクセスできるCloudantダッシュボードを見ると、きちんとデータが格納されていることが分かります。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。