稚内を18時02分に出発したスーパー宗谷4号は、札幌に23時01分に到着。もう、ホテルに戻ってのんびりしています。
さて、稚内で自分の中途半端さを悟り、ペンギンで癒されようと水族館に入った後、どうしたのか、について。
水族館というのは、日本最北の水族館(まぁ、稚内にあるものは、大抵、日本最北端なのです)こと、ノシャップ寒流水族館。これがまた、こじんまりとした水族館で、ペンギンとアザラシ以外は熱帯魚とか金魚とか、後はニシンとかタラバガニとかケガニとかバフンウニとか、なんだか食用になるものばっかり展示してある水族館。
その後、隣にある稚内市青少年科学館で南極観測の資料とかを見ました。
実はペンギン好きの私は、ひたすら、ぼーっとペンギンを見ていたのです。
彼らは結構、斜め上の一点を見つめて、じっとしていることが多い。
「一体、ペンギンは何を考えて、そうしているのだろう」
そんなことを考えて、ただひたすらペンギンを見ていると、逆にペンギンとしては、「この人間は、何を考えてぼーっとしているのだろう」とか思っているのではないか?
そんな考えが思い浮かんで、「お互い様かもなぁ」と勝手に納得して水族館を後にしたのですが、それからノシャップ岬の灯台まで歩いて、しばらく海を眺めた後、そろそろ駅に戻るかと思った時、帰りの特急(スーパー宗谷4号)で本でも読むか、と思ったのです。
駅前に書店があるのは分かっていたので、宗谷バスに乗って駅前通まで戻り、おそらく日本最北端書店なのではないか?と思われる雲母(きらら)書店へ。
さぁ、何も読もうかと思った次の瞬間、目についたのは、レジ近くに平積みになっていた「「頭のいい人」はシンプルに生きる」という本。
ウェイン・W・ダイアー著、渡部昇一訳。自分としては、非常に印象強いゴールデンコンビなわけですが、中を確認してみると、dm。でも紹介したことのある「どう生きるか、自分の人生!」を再編集しただけの本。原題「Pulling Your Own Strings」。
全世界で930万部を売ったという帯が付いていますが、日本でも最初はたしか「自分の時代」であり、次に「どう生きるか、自分の人生」として文庫にも入り、さらに同じタイトルで新装丁が施され、今度はタイトルを変えて再新装丁。
よく、続きますね。今でも、それなりに売れてるのでしょうか。
ダイアーの著書は、自分の中学生時代(だっけな?)を支えた本であり、何度となく読んだ本。
原題の「Pulling Your Own Strings」という言葉を書き残して、一人旅に出た(家出ともいう)のも今は昔。
しかし、最近は、全く読んでいませんでした。2月の引越荷物に入れたと思うものの、少なくとも段ボール箱から出してないはず。そんな状態。
そんな、人生でも印象深い本に、まさか稚内で再会することになるとは。もう、これを読むしかないんだろうなと観念し、購入。
スーパー宗谷4号に乗り込み、稚内から名寄までの間に読み切りました。
昔のことを振り返ったり、昔は何も感じなかった文章に今は感銘を受けたり、その逆もあったり。
ノシャップのペンギンよ、君たちを眺めていた人間は、こんなことを思い、考えるに至ったのだ。おわり。
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よりによって、表紙はペンギンである。