ブログのテーマを絞るのではなく、ブログを書いているあなたのテーマを絞る

読者にテーマが絞られていると受け取られるブログには、テーマブログとテーマ人ブログの2種類があるのではないかと書きました。

書いた後もいろいろ考えていて、少なくとも私にとってはテーマ人ブログの方が良いのではないかというのが現時点での結論です。いや、別に私だけというのではなく、組織立ったブログメディアを立ち上げようというのでなければ、個人でやるのなら、テーマブログよりテーマ人ブログではないかと思うのです。

私の考えるテーマブログとテーマ人ブログの違いを整理しておきます。

テーマブログ

  • ブログに書くネタを特定のテーマに絞り、そのテーマ以外では書かない
  • ブログのタイトルやURLで、テーマを鮮明に掲げている
  • 複数の投稿者を抱えたり、寄稿を受け付けることもある

テーマ人ブログ

  • 投稿者は1人で、個人ブログである
  • ブログのタイトルやURLはテーマとは関係なく、投稿者の個人名が入っていることもある
  • 投稿者自身が何らかのテーマや独自の視点を持って生きている

どちらもブログの読者からはなんかのテーマに関するブログであると受け入れられるのですが、ブログテーマの特定が前提になっているのか、結果論なのかという違いがあります。

例を挙げれば、テーマブログはシゴタノ!Lifehacking.jp、テーマ人ブログは404 blog not foundLife is beautifulがあると思います。

Lifehacking.jpでライフハック以外のエントリーを見ることはまずないのですが、404 blog not foundは書評ブログに分類されているけれども書評以外のエントリーもたくさん出てきます。そこに貫かれているのは小飼弾さんの独自の視点ですね。

ここに挙げた例はちょっと大きすぎたかもしれませんが、自分のブログがどっちを目指すのかということについては、よく分かる例です。

私について言うと、いま書きたいと思っているテーマはブログやソーシャルメディア(昨日書いた個の協働とソーシャルメディアを参照)のことですが、それをこのブログに書くのか、テーマを絞り込んだ新しいブログを作るのか、悩みました。

ただ、書きたいと思っているそのテーマは、ここ数日だけの短期的なマイブームというわけではなく、コントリビューションステートメントの検討などから出てきた私にとっての長期的なテーマになり得るものだと考えています。

それほどのテーマなら、そのテーマはブログの上だけのことに押しとどめる必要はありません。その人の生きるテーマになるからです。そういう人が書いたブログならば自然とテーマが絞り込まれたブログになるはずです。

結局のところ、テーマブログとテーマ人ブログの違いは、同じところにたどり着くための方法論の違いなのかもしれません。
しかし、「自分のブログのテーマを絞らないと!」と考えいてる人は、その前に「自分自身の生きるテーマって何なのか」ということも考えるのが早道かもしれません。急がば回れです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。