モバイルって大体何なんだ?

モバイル、モバイル、モバイル・・・。PalmとかPocketPCとか、あとiモードなどの携帯電話も入るのでしょうか。別に、ここでモバイルの説明をするわけではないのですが・・・。

「モバイル」というのは、おそらく「デスクトップ」の対義語に相当すると思いますが、モバイルでやる事は、デスクトップで出来ることをモバイルでもやりたいというケースと、デスクトップではやる必要がなくて、モバイルだからこそやりたいケースの2つがあると思います。最近、「モバイル」という言葉が一人歩きしていて、モバイルで何をやるかということをすっ飛ばして、とにかくモバイルでやればいいんだというような風潮が見えないこともなくて、だからこそ、ちょっと考えてみようと思うのです。

PDAのことを考えると、思いつくのは予定表とかアドレス帳、あとはメールやインターネット。こういったことは、デスクトップで出来ることを外に持ち出したいという用途ですね。要はOutlookが持ち出せればいい。Outlookを持ち出すという発想は、PocketPCだったり、その前身のPalmsize-PCの根本だったりします。最近は、音楽も聞きたいし、ビデオも見たいという用途もあります。こういうマルチメディア用途も、デスクトップで出来ることです。CLIEの「なんでも持ち出そう」というキャッチフレーズは、実に言い当てた言葉です。「持ち出す」というキーワードは、モバイルというシーンで、デスクトップが欲しいということでしょうか。やっぱりみんな、どんな場所でもPCが欲しいのか・・・。最近のPalmの失速と、PocketPCの健闘はそれを意味しているのか・・・?

一方、携帯電話もモバイルシーンの主役ですが、携帯電話はさすがにスペックが低いために、デスクトップを持ち出すという用途には使えそうにありません。(とはいっても、Javaを搭載したりするし、FOMAでは動画も再生できるし・・・)逆に、中途半端に高機能なPDAよりも、低機能な携帯電話の方が、新しい活用方法を生み出す可能性があるのかもしれません。

実はモバイルと騒いでいても、PDAはあまり売れていないし、普及率がちっとも上がらないのが現状です。まだまだ騒がれているだけなんですね。モバイル(PDA)が本当に普及するためには、デスクトップを持ち出すだけではなく、モバイルだからこそやりたいということを見つけるべきなのだと思います。そして、それは携帯電話側から?

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。