さくらのVPSに移行するときにやったこと

さくらのVPSが月980円だというので、いままでCoreserver.jpとか、さくらのレンタルサーバ(1500円のプラン)を使っていたのをやめて、移行した。もちろんマルチドメイン可能というか、VPSだから好きなようにやれば良いのだが、ドメインについては長年使っているinoccu.netをメインで作業を進めた。

共有型のレンタルサーバなら古くはロリポップから始まって、長年使ってきたので、慣れている。基本的に前述のCoreserver.jpやさくらのレンタルサーバといったSSHが使用できるサービスを使ってあれやこれやしてきたので、VPSへの敷居はそれほど高くない。(たぶん、SSHが使えないサービスからの移行だと結構敷居は高いと思う。)

とはいえ、さくらのVPSはデフォルトのCentOSが最小構成で入っているだけ(DTIがやっているVPSは開発者向けてんこ盛りのパックがあったりするが)なので、Apacheのインストールから物事を始めなければならない。Wordpressを使ったブログをやりたいとか思ったら、PHPとMySQLのインストールも必要だ。Sendmailは最初から入っているのでメールは何となく出来るが、POPやIMAPでのアクセスをしたければやっぱり何かをインストールしなければならない。そして、何よりセキュリティにも気を払う必要がある。

インストールといっても、当然ソースからコンパイルする必要はない。yum –y install ~を連発していれば大丈夫だ。設定とかチューニングは必要だが、必要なコマンドはvi ~とか、service ~ reloadとか、chkconfig ~ onとか、限られている。

以下、参考にさせていただいたサイトをご紹介。

まずは、さくらインターネットの田中社長のブログと、IDEAIDEAの記事を参考に基本的な設定をやった。田中社長の方は事前準備まで、IDEAIDEAの方はもう少し範囲が広くて、ApacheやMySQLのインストールなど一般的なレンタルサーバを借りた直後と同等になるくらいまでのことが書いてある。

私がやったことで特筆するなら、sudoを入れたこと、CentOSで標準的に導入されるPHPは最新版ではないので、phpMyAdminを動作させるためにも最新版に入れ替える必要があるといったことだ。

MySQLのインストール、デフォルトキャラクタのUTF-8化

この辺のことも、IDEA*IDEAの記事を参考にした。

やっぱり、phpMyAdminは必要なので。

それから、さくらのVPSのデフォルトでは、sendmailが外部からのメールを受け取れるようになっていないらしいので、その設定。IDEA*IDEAさんにお世話になりっぱなしだが。

あと、メールに関しては普段使いのGmailからPOPで拾いに行くようにしたい。そこで、POP/IMAPサーバであるDovecotをインストールした。

こうした技術的な情報はGoogle先生に尋ねてみれば、適したサイトを教えてくれるので無問題なことが多いのだが、やっぱり1冊はこういう本が欲しい。Dovecotについては、この本を読みながら設定したのだ。

どうせGmailを使うのなら、POPで拾いに行くのではなくて、受信したメールを全部転送した方が効率的なように思う。Sendmailの設定でそうすれば良いのだが、まだやっていない。(実はやってみたのだが、うまくいかなかった。さくらのVPSはお試し期間中は外部へのメール送信が出来ない仕様なので、そのせいだと思う。)

ここまで来れば、一般的なレンタルサーバでやるのと同様にWordpressをインストールしたり出来る。今のところ、公開用にWordpressとDrupal、個人的なお遊び用にPukiwiki、Freshreader(なんか懐かしい)を入れてみたが、何の問題もなく動作している。

それから、FOMA用の2chクライアントでW2chってのがあるが、その中間鯖を立ててみた。PHP版もあるのだが、本家はJavaなのだ。だから、Tomcat6(CentOS標準だとTomcat5なので、これも入れ替え要)を入れてたりもする。

と、なかなか使い出があるので、代金を払って本契約に移行した。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。