公衆無線LANのWi2が始めた新サービス「ギガぞう」について調べてみた

2014年から丸4年ほどIIJmioのSIMを使っています。最初は私のスマホだけでしたが、タブレット、LTE通信機能搭載のノートPC(一時期)から、実家の母のスマホとタブレット、さらに妻のスマホとタブレットという具合に、現在ではファミリーシェアプランで7枚のSIMを使い分けています。

BIC SIMだとWi2 300が使える

正確に言うと、私が契約しているのはIIJmioではなくてビックカメラのBIC SIMです。料金プランはまったく同じ、サポートサイトもIIJmioのサイトにあり、サービスカウンターもIIJmio、サポートメールが届くのもIIJmioからということで、最初に誰が売ったかの一点を除いては何も変わらないように見えるのがBIC SIMです。

ただ、大きな違いが1つあって、それは公衆無線LANサービスのWi2 300が無料で提供されること。これは大きな魅力なんですね。ドコモなどのキャリア(MNO)だと、独自のWiFiサービスが提供されますがIIJmio(BIC SIM)のようなMVNOからは使えません。

しかし、BIC SIMならWi2が使えるのでWiFiが使えるエリアは違いますが、いちおう、WiFiサービスが提供されていることになります。

ギガぞう現る

今までBIC SIMユーザとして、普通に契約すると月額362円かかるWi2 300を無料で使ってきました。それが「ギガぞうフリープラン for BIC SIM」に変わるというのですね。さらに、月額500円(Googleウォレット決済の場合は540円)を払うと「ギガぞうスタンダードプラン for BIC SIM」になるとのこと。

今までのWi2 300とギガぞうは何が違うのでしょうか?また、フリープランとスタンダードプランの差は?さらに「for BIC SIM」だと何が違うのかも気になります!

ギガぞうの特徴

まず、ギガぞうの特徴を見てみましょう。

1つ目はWi2eapというアクセスポイントを使うことができるという点です。公式サイトによれば、キャリアWiFiと同等レベルの高セキュリティWi-Fiと謳われています。

2つ目はVPNサービスの提供です。PC/Mac用のOperaやiOS用のAlohaといったブラウザには独自のVPN機能があり、ブラウザを導入している端末からOperaやAlohaの運営会社が提供しているVPNサーバまでの通信を暗号化することができます。主にFree WiFiサービスを使用する際にVPNサービスを使うことで安全性が向上します。こうしたVPNサーバのサービスをギガぞうでも提供するというわけです。

3つ目はLTE通信データの最適化ということで、最大20%のデータ通信容量の圧縮ができるとのことです。公式サイトではその手段についての説明がありません。
ふつうに考えると、先述のOperaなどが実現しているようにLTE通信時にもVPNを経由させて、VPNサーバがデータ圧縮機能を持っているのだと思います。しかし、公式サイトでは「VPN接続はWiFi接続時のみ可能」と説明されているので、ちょっと謎です。追々調べてみたいと思います。

【追記】
ギガぞうの公式FAQに下記の記述がありました。
ギガぞうではVPN機能によってLTE通信を当社設備に接続することでLTE通信を圧縮し、通信量の節約を実現しています。

また、VPN接続とLTE通信データ最適化については、iOS及びAndroid用に提供されている専用アプリをインストールしておく必要があります。

Wi2eapとは?

VPNやLTE通信データの最適化も魅力ですが、何より気になるのはWiFiが使える場所がどう変わるのか?です。月額500円払うだけの価値はあるのか?

ギガぞうのスタンダードプランで使用できるアクセスポイントのSSIDは下記のとおりです。(うち、Wi2eapと0000Wi2を除いて、フリープラン for BIC SIMで使用可能。)

Wi2eap / 0000Wi2 / Wi2 / Wi2_club / wifi_square / UQ_Wi-Fi / mobilepoint / mobilepoint2

一方、Wi2 300で使用可能なSSID(Wi2ベーシックエリア及びローミングエリア)は下記のとおり。

Wi2 / Wi2_club / wi2_free / wifi_square / UQ_Wi-Fi / mobilepoint / mobilepoint2

ギガぞうでは、wi2_freeが使えなくなりますが、Wi2eapと0000Wi2が使えるようになっています。Wi2オプションエリアとして別料金で提供されているWi2premiumとWi2premium_clubはギガぞうでは使用できないようです。Wi2ベーシックエリアは6万か所、別料金が必要なオプションエリアを合わせると20万か所なので、オプションエリアが使えないのは残念です。(ギガぞうでも別料金でオプションエリアを使用することは可能です。)

Wi2eapはどの程度設置されているのでしょうか。新宿歌舞伎町界隈で検索してみると、下図のような結果となりました。

緑色のフリーエリアはWi2 300でも使えたところですが、注目したいのは青色のWi2eapです。バルーン表示させているドトールコーヒーをはじめ、この界隈にある大抵のカフェ、ファストフードはカバーしているように見えます。

スタンダードプランでの主な利用可能店舗を見てみると、下記のとおりでした。

  • 上島珈琲店
  • エクセルシオールカフェ
  • カフェコロラド
  • カフェ・ド・クリエ
  • Cafe MIYAMA
  • Cafe ルノアール
  • カフェ レクセル
  • 神乃珈琲
  • 喫茶室ルノアール
  • 珈琲館
  • コメダ珈琲
  • サンマルクカフェ
  • スターバックス
  • TULLY’S COFFEE
  • デッパーダン
  • ドトール
  • ドトール珈琲農園
  • ニューヨーカーズ・カフェ
  • 梟書茶房
  • ミヤマ珈琲
  • ケンタッキーフライドチキン
  • サブウェイ
  • ドムドムハンバーガー
  • バーガーキング
  • ファーストキッチン
  • フレッシュネスバーガー
  • モスバーガー
  • ロッテリア

といった具合です。マクドナルドが入っていないのが気になるかもしれませんが、それはmobilepoint / mobilepoint2のローミングで対応しているので問題ありません。

スターバックスを筆頭に最近はお店に入れば無料のWiFiが使えるところも多いのですが(そう言えばスタンダードプランでもベローチェに対応していませんが、店舗の無料WiFiサービスがスタートしていますね)、Wi2eapのアピールポイントである安全性をどの程度評価するかでしょうか。また、無料WiFiサービスでは使用時間の制限があったり、混み合っていると使いにくいといったこともあります。その辺が、Wi2eapなら快適に使えるということなら、月額料金を支払う意味があると思います。

【追記】

ベローチェは公式サイトの主な利用可能店舗一覧には含まれていませんが、WiFiエリア検索で調べると使用可能な店舗も存在しているようです。

for BIC SIMの違い

ギガぞうの公式サイトから契約できるのは、月額500円のスタンダードプランのみです。for BIC SIMでは、無料のフリープランが提供されている点が異なります。フリープランでは対応しているアクセスポイントがWi2 300概ね同じですが、VPNやLTEデータ通信最適化といった機能を無料で使うことができます。

スタンダードプランについては、30日間の無料トライアルの後に、さらに最大翌月末までの無料期間が付いているのが違いのようです。

まずは使ってみよう

標準で提供されている30日間無料トライアルのほか、BIC SIMなら最大2ヶ月ほどが無料で試せるため、まずはギガぞうを使ってみようと思います。使用後のレビューはまた書くことにします。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。