中小企業庁令和2年度予算の商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)の公募が2月18日から始まっています。締切は4月21日の17時まで。申請はJグランツ(電子申請システム)で行うので、事前にGビズIDの取得が必須となります。
支援内容は、補助事業期間2年間で補助上限が初年度3,000万円以内、2年度目の交付額は初年度の交付決定額が上限となっています。補助率は2類型あり、IoT・AI・ブロックチェーン等先端技術活用型は2/3以内、一般型は1/2以内です。
事業の目的と補助対象者
本事業は、中小企業者が産学官で連携し、また異業種分野の事業者との連携を通じて行う新しいサービスモデルの開発等のうち、地域経済を支えるサービス産業の競争力強化に資すると認められる取組について支援(以下、「新連携支援」という。)します。異分野の事業者が有機的に連携し、その経営資源(設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源)を有効に組み合わせて、新事業活動を行うことにより新たな事業分野の開拓を図ることを目的としています。
事業の目的は上記のとおりで、
- 中小企業者が産学官で連携し、また異業種分野の事業者との連携を通じて
- 新しいサービスモデルの開発等のうち、地域経済を支えるサービス産業の競争力強化に資する
という2点がポイントかと。補助対象者は「単独では申請できず、中小企業者を中心とした連携体を構成する必要」となっているので、自社(中小企業)とどこかの会社(大会社を含む)や大学・研究機関などと連携する必要があります。
さらに「大学・地方自治体・公設試等のいずれかと連携し、補助事業の中で具体的な名称や役割分担等の取組を明確化していること」という要件もあるので、大学や公的機関を含めたそれなりの座組ができていないと応募すらできない補助金ではあります。
もちろん「コア企業は、本事業における研究開発プロジェクトを事業化させるだけでなく、それに伴うコア企業自身の成長に関連した目標値を設定すること。具体的には、事業終了後5年以内を目処に、コア企業の①付加価値額が 15%以上(年率平均3%以上)の向上、及び、②給与支給総額が7.5%以上(年率平均1.5%以上)の向上を達成する目標設定を策定」という要件もあります。
補助対象事業・経費
補助対象事業としては2つの条件があります。
- 新事業活動によって、市場において事業を成立させること
- 新商品及び新役務等に係る需要が相当程度開拓されるものであり、具体的な販売活動
が計画されているなど、事業として成り立つ蓋然性が高く、その後も継続的に事業として成立する事業
新事業活動であることと、それが事業として成立することが必要というわけですね。
その「新事業活動」の定義は下記のようになっています。
新商品の開発又は提供、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動(地域や業種等を勘案した新しい事業活動を含む)を指しますが、その中で本事業では「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」に沿って行う新しいサービスモデルの開発等を対象とします。既に、相当程度普及している技術・方式の導入等及び研究開発段階に留まる事業は、補助対象となりません。
まだ普及していない技術・方式を研究開発する必要があり(本事業の1年度目において研究開発を実施する事業という条件があります)、研究開発段階に止まらずに事業化しなければなりません。
補助対象の経費には労務費(研究員費)が含まれ、事業主や法人の役員であっても、直接研究開発に従事するのであれば計上可能なので、立ち上がったばかりの企業で創業者(経営者)が自ら、研究開発を行う場合の労務費が対象になっているのは使い勝手が良いと思います。(補助金によっては、役員の労務費は対象外のものもあるので。)
その他、外部コンサルタント等への謝金、旅費・交通費、会議費、借損料、知的財産権関係経費、雑役務費、マーケティング調査費(展示会出展を含む)、備品・消耗品費、機械装置等費、外注費、委託費が補助対象となります。
IoT、AI、ブロックチェーン等先端技術活用型
補助率が2/3以内になる先端技術活用型ですが、下記のように説明されています。
「IoT、AI、ブロックチェーン等を用いた事業(サービス)開発を行う」ことが要件となります。当事業において「IoT、AI、ブロックチェーン等先端技術活用型」とは、「成長戦略2019」(令和元年6月21日閣議決定)に位置づけられた IoT、AI、ブロックチェーン等の先端技術を活用して、顧客や社会の課題解決に資する新たな付加価値を生み出す産業社会の実現を目指す事業を指します。