続・福岡で話をしたこと

日曜日に書いた「福岡で話をしたこと」が、思ったよりFacebookで拡散いただき、いいね!してもらいました。

まさか、その記事の冒頭に載せた麺もつ鍋の写真がいいね!というわけではないと思うので、主に業務系のSIerの皆さんなのかな?共感していただくポイントがあったのだろうと思います。

その記事で書いた、Web系と業務系をつなぐブリッジをどう作っていくかということについて、引き続き考えてみました。

仕組みを作る

当社で実際にやっている事例では、私が顧客先に常駐しているからブリッジの役目を果たせているわけですが、それで私が「(言葉は悪いですが)ババを引いた」ということになるのなら、長くは続きません。

基本的にWeb系の皆さんが常駐を嫌がるのは、作業環境の面と、常駐して毎月いくらという固定金額での契約では売上の伸びが期待できないという経営的な面の2つだと思います。後者は、エンジニア自身がスキルを伸ばしても、それがカネにつながらないから、スキルを伸ばすことを止めてしまうという問題にもつながりますね。

それは、別にWeb系の皆さんに限らず、当社や私自身にも当然に当てはまることです。やはり私も常駐したいと思ってしているわけではないし、売上も伸ばしていきたい。

となると、必要なのは仕組みです。良い仕組みを作って、顧客もエンジニアもみんな満足という状態を作らないといけない。ポイントは3つあると思います。

プロジェクトに参画する人を集める

安定的に価値を提供するためには、優秀なエンジニアを集めておく必要があります。それが現時点ではWeb系の方に多いかもしれない(少なくとも業務系の世界にWeb系のエンジニアを引き込むことで新しい発想というか、そういう差別化は図れる)ということがこの話の主眼ですが、当社としては人を大量に雇うつもりはないので・・・。(意思もなければカネもない)

とすると、コミュニティとか、クラウドソーシングとか、そういうところで緩くつなげていく仕組みが必要だろうと思います。どちらが上、どちらが下とかではなく、お互いの強みを適材適所で組み合わせていけるような関係性が望ましい。

もちろん、その中でプロジェクトマネジメントのロールが得意な人とか、顧客に対する営業力、提案力といったところで強みが発揮できる人がいて、自然とその人を中心にまとめていくような形にはなるかもしれませんが、それはそれで良いでしょう。

プロジェクトをうまく回して顧客に価値を提供する

緩いつながりの中で仕事を回していって、きちんと顧客に価値を提供するとなれば、それなりのプロジェクトマネジメントの仕組みが必要になります。それは、思想やプロセスといった面もあるし、常駐という形を取らないのでツール面でのサポートが重要になってくることは間違いありません。

ぼんやりと、プロセス的にはScrumとかなのかなぁとは思います。ツールもScrumを前提としたものが最近は多いようですし。私もいくつかのプロジェクトでScrum的なやりかたを試してみたりはしていますが、まだマスターした!という感じではないのですよね。精進が必要です。

あと、本番運用の仕組みも必要ですね。今はクラウドの活用が業務系でも進みつつあるので、やりやすくなってきているとは思います。
全体として、ソニックガーデンさんがやっているような「納品しない受託開発」という方法が一つの解だと思いますが、だとするとなおさら、運用の仕組みも考えておかねばなりません。

顧客企業との契約をきちんとする

そんな形で、うまく顧客に価値を提供できそうだ。となっても、必ずしも契約に結びつかない可能性があるとすれば、顧客企業の法務とか業務の方たちが納得してくれるかどうかです。現場ではその進め方でOKという話になっても、いざ契約となると・・・ということもあります。

例えば、請負契約と準委任契約の違いとかは、契約上の扱いと労務関連の扱いでズレがあるような気もしますし、現場と法務で認識が違ったりとかもあります。SIでは偽装請負問題が尾を引いていて、難しかったりするのです。現場からすると、その辺で法務とかに説明するのが面倒だなぁということもあります。

結局、この辺のところはサービスを提供する側がきちんと理解して、モデルケースとかを作って、きちんと説明して回るしかないように思います。

まとめ

前回の記事にも書いたとおり、まとめを書くほど自分の中でまとまってはいないのです。この記事の内容だって、実は昨日飲みに行って、その場で考えて言ったことをまとめただけだし・・・。
とりあえず、現時点で思うところを書いてみましたが、このネタは継続課題ということで。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。