節電によって出た利益は義援金に回すと良いのではないか

首都圏では計画停電が始まって、街のあちこちで「節電をしている」という貼り紙を見かけるようになりました。
そうした節電の積み重ねで実際に停電になる地域が減っているのだから、立派なことです。

外食に行くと、そのお店が節電のために照明を暗くしていたり、エアコンを切っていたりする。それは良いのですが、ちょっと考えてみると、その分だけ電気代がかからないのだから、そのお店の利益率はむしろ高くなるのではないかということに気づきます。

飲食店にとって電気代というのは固定費の範疇です。お客さんが入ろうが入るまいが、照明は必要だしエアコンで室温を一定に保つ必要もあります。お客さんの数や売上とは関係なくかかる費用なのだから、それは固定費です。節電によって電気代が減ると固定費が下がることになり、よって損益分岐点も下がる。売上が同じならば電気代が減った分だけお店の利益に直結するし、多少売上が落ちたとしても損益分岐点が下がっているのだから、利益を確保できる確率は高くなります。

客の立場でみると、同じ料金を払っているのに普段より照明が暗かったりエアコンがついていなくて寒かったりする、つまり環境が悪いわけだから損をしている気分です(もちろん震災が原因なのだから、損な気分も打ち消されますが)。

その一方で、お店は得をしているとすれば、その余剰利益は震災のために使って欲しいと思うのです。
中には(おそらく無用な)買い占め効果によって、むしろ売上が上がっている業種もあると思いますし、その一方で節電で費用が下がっているなら、まさにウハウハ状態なわけで。
そのウハウハは義援金に回しましょうよ。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。