メーカーとしての立場を維持する

私が強く影響を受けている本の著者に西村佳哲さんがいます。

西村さんはリビングワールドという小さなデザイン会社を営む傍ら、「働き方研究家」として、際立つ働き方をしている方へのインタビューをまとめた著書も出し続けています。
西村さんの一連の著書は、私がArtisan Edgeをやろうと思う「きっかけ」をたくさん作ったので、このブログでも度々出てくることになると思います。

その「きっかけ」というのは本当にたくさんあるのですが、その中でも特にArtisan Edgeのあり方を示唆してくれたのは、最新刊「なんのための仕事?」にあった、西村さん自身の会社であるリビングワールドのあり方です。

僕らは、「クライアントワーク(請負の仕事)」と「メーカーポジションのモノづくり(商品をつくって自分たちで販売まで行う仕事)」の二つを併行して手がけている。
「クリエイティブ」なんていう大それた言葉を使いながら、実態は守備範囲の限られたパートワークのようになっている旧来のデザイン業のあり方への疑問もあった。
請けて取り組む仕事と、自分でつくって始める仕事の二つをダブルポジションでやってゆきたいと考えながら、自分の会社を始めた。
(同書の2箇所からの引用)

比較的大きな仕事ができるクライアントワーク(もちろん生活の維持という目的もあります)と、最初から最後までを自分でやってしまうメーカーポジションのモノづくりの両方をやっていくこと。これはArtisan Edgeとして、私がやりたいことでもあります。

9月28日に行われた個人事業主文化祭で、OWASYSの尾張さんがITエンジニアがメーカーポジションをやることの意義を話していました。私は思いをより強くしました。
西村さんがやっている建築やオブジェの領域と比べると、ITの領域はITエンジニアが一人でやれることが広いと思います。特に最近はWebサービスやiPhoneアプリなど、自分一人で完結して提供出来ることが多いし、本当の意味でメーカーになれるんですね。

私は既にAndroidアプリをマーケットで公開しているので既にメーカーであるわけですが、Artisan Edgeでの取り組みとしては、iPhoneアプリの開発を進めています。この取り組みはiPhoneアプリ以外にも広げて、今後のArtisan Edgeの軸の一つにしていきたいと考えています。

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この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。