Microsoft WindowsCEを搭載するPDA、PocketPC陣営には日本の大手メーカーが続々と進出しています。
PocketPCは以前のPalmsize/PCの時から参入しているカシオ計算機、ヒューレッド・パッカード(HP)の2社が老舗でした。当初はパームコンピューティング、ハンドスプリング、IBM、ソニー、TRGの5社が参入するPalm陣営の勢いが圧倒的であり、PocketPC陣営はいまいちパッとしていませんでした。しかし、COMPAQがiPAQで参入したあたりから状況が逆転した感じです。冒頭に挙げた東芝の他、NEC(ハンドヘルドには参入済み)、富士通、日立などがPocketPCに参入すると噂されています。
一体、なぜ今、日本の名だたる大手メーカーがPocketPCに参入するのでしょうか。こうした企業はホストからPCに至る全体的なコンピュータの階層を作り上げていて、それぞれの階層でソリューションを提供しています。いままで最下層に位置していたのはPCでしたが、さらにその下に位置するものが要求されるようになり、それに応えるのがPDAだったのです。
PDAを使用するモバイルソリューションでは、ソフトウェア的にどういうシステムを取るのでしょうか。ここに1つの対抗軸が生まれます。Webアプリとクライアントアプリの対抗です。Webアプリは、HTMLベースでWebブラウザをクライアントとするもので、HTTPで通信するシステムです。クライアントアプリは、旧来からあるJavaやC、VisualBasicなどを使ったアプリケーション開発のやり方をそのままPDAに適用します。
最近、Webアプリが盛んに取り入れられる理由は、クライアントに求める環境が基本的にWebブラウザのみで、Webサーバを立ててHTTPが通ればそれで良いため、初期投資が抑えられること。さらに、アプリケーションの改修時の作業がサーバにしか発生しないといったメリットがあるためです。
Webアプリは、もともとクライアントアプリのデメリットに対する改善策であることを考えると、いまさらクライアントアプリでもないという気がします。
しかし、必ずしもそうとは言い切れません。例えば、iモードはWebアプリとして大成功を収めましたが、iアプリはクライアントアプリなのです。PDAよりさらに小さなデバイスである携帯電話ですら、Webアプリとクライアントアプリが拮抗しているわけですから、PDAではもちろん拮抗するのです。
結局は、両方を使い分けるという形になるのでしょうか。