豊岡鞄

ずっと革製のキレイめな3wayの鞄が欲しいと思っていて、Totem Re Voooのパンチングレザーの3wayブリーフケースを買いました。

この鞄は東京駅の隣にできたKITTEにある「豊岡鞄」で購入。最初、豊岡鞄というメーカーがあって、その直営店があるのかと思っていたのですが、調べてみるとそうではないようです。

兵庫県の豊岡はもともと鞄が名産で、そのブランディングとして豊岡鞄の認定制度があり、その認定を受けた企業の商品が豊岡鞄と名乗ることができるということのようなのです。しかも、認定は企業と商品の二段構えで、認定を受けた企業が作った鞄をすべて豊岡鞄と言って良いわけではないということ。なかなか厳しいですね。

そうしたものなので、豊岡鞄を作っているメーカーは複数あって、KITTEの店舗でも複数メーカーの豊岡鞄が販売されていました。

こういう仕組みは非常に面白いと思います。鞄メーカーが集まった地域があったとしても、それぞれのメーカーが単独で活動していると、消費者にはそれが見えないので、数多ある鞄メーカーの一つとしかみなされません。また、そのメーカーが展開するブランドも、ちゃんとブランドとして認知されているなら良いけれども、歴史が浅かったりすると、せいぜい「良い鞄だけど、ブランドとしての評価はまだまだ・・・」ということになったりします。

その点、豊岡鞄の仕組みだと、「豊岡鞄」というブランドがある程度形成されているので、実際のメーカーがどこというよりも、そのブランドで評価を受けることができます。そして、そのブランド価値を落とさないよう、きちんと認定制度があり、認定の仕組みを公表することで、高品質であることを消費者にアピールできます。

さらに面白いと思ったのは、鞄に保証書が添付されるのですが、事前に豊岡鞄のWebサイトで登録しておけば、保証書をなくしても保証を受けられるということです。これもメーカー独自の取り組みではなく、豊岡鞄というブランドの中で仕組みが回っているのです。

こうした仕組みを、そのままビビンコなど私自身の取り組みに持ってくることはできないかもしれませんが、複数企業がまとまって一つのことを成し遂げていく形は、いろいろと頭を柔らかくして考えても良いのではないかと思いました。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。