スマートデバイスを使ったソリューションについて調べた

今日はHTML5でAndroidアプリを開発する連載はお休みして、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスを使ったソリューションについて調べたことを書こうと思います。

まぁ、これは本筋ではないのですがね。本筋は、解決したい問題があって、そのためにソリューションを見つけ出すこと。何か道具があるから、それを使ったソリューションを・・・というのは逆筋です。
ただ、スマートデバイスはITの新しい道具の一つであることは間違いなく、その新しい道具を使って、どういう新しい戦い方が出来るようになるのかを知ることは、提案する側としては悪いことではありません。

Googleで「スマートデバイス ソリューション」と調べてみると、SIerとおぼしきサイトがたくさん見つかります。そのいくつかを眺めてみると、スマートデバイスソリューションは大きく3つに分類できることが分かります。

業務ソリューション系

まずは業務ソリューション系です。これが本流といえるでしょう。業務ソリューション系は、さらに固有の業務ソリューションと汎用の業務ソリューションに分類することが出来ます。

固有の業務ソリューションというのは、メーカーのサービスマンや生保の営業担当者といった仕事をしている人たちが、その外回りの業務で使うアプリケーションといったイメージです。サービスマンならサポート業務の報告書をタブレットで作成するとか、生保ではタブレットで見積書を作ったり、実際に契約できたりといったことが考えられます。

固有の業務ソリューションでは、NECのソリューションリストがよくまとまっています。例えば、保守業務への導入事例信用金庫向け営業支援遠隔相談などがあります。

汎用の業務ソリューションは、タブレットを使ったプレゼンテーションや、ペーパーレス会議、グループウェアとの連携、テレビ会議へのスマートデバイスからの参加といったシステムを提供するソリューションが多いようです。

ペーパーレス会議やスマートデバイスを使ったワークスタイルの変革については、富士通のサイトに動画があります。NTTデータジェトロニクスでもペーパーレス会議のソリューションを提供しています。

業務ソリューションの実現方法に視点を移すと、スマートデバイス上で動作するアプリケーションを開発するソリューションと、社内サーバ等で動作している業務アプリケーションをリモートで操作する方法を提供するソリューションに大別できます。

運用・セキュリティソリューション系

スマートデバイスが業務に投入されると、企業の情報システム部門で管理するべきデバイスが一気に増えます。また、スマートデバイス特有の事項として常に持ち歩かれているということがあり、管理は煩雑、困難になる可能性があります。
その辺を解決しようというソリューションとして、MDM(モバイルデバイスマネジメント)があります。MDMでは遠隔操作によるデータ消去やアプリの配布といった機能を持っています。

MDMに関してはSIerとして提供しやすいのか、多くのソリューションが提案されています。
先に挙げた富士通のサイトでもMDMの動画がありますし、NTTデータジェトロニクスではMDMに関するコラムが連載されています。

また、スマートデバイスの活用にあたっては、セキュリティ対策の必要性が一般の社内PCと比べて特に重要になってきます。やはり常に持ち歩くものですから紛失といったこともありますし、社内外で多くのネットワークに接続されることになるのもセキュリティ上の不安要素です。業務活用の観点で、社外から社内ネットワークに入ってくる経路のセキュリティにも気を遣う必要があります。

さらに、スマートデバイスに関しては私物の使用を許可するBYOD(Bring Your Own Device)のケースも考えられ、その際のセキュリティや、私物のスマートフォン等を業務使用する際の通信費の会社負担といったことも考える必要があります。

物販・キッティング支援系

業務用スマートフォンやタブレットの販売、LTE・3G回線の契約取次やMVNOでの販売も、ソリューションの一領域です。
新規導入時のキッティングや、使用方法の教育といったソリューションを提供する企業もあります。

NTTデータジェトロニクスのキッティングサービスや、サイオステクノロジーの一括初期設定(キッティング)ソリューションなどがあります。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。