国内銀行でもブロックチェーンの活用に進む

先月(1/23、30)に行ったセミナーでも取り上げたブロックチェーンとFintechですが、新たな動きが見えてきました。

ちょうど一昨日のセミナーでも、「国内でブロックチェーンを活用した取り組みはあるのか?」というご質問をいただいていて、三菱東京UFJ銀行のグループが国際的な取り組みに参画しているという回答をしました。

その三菱東京UFJ銀行が、国内での取り組みも始めているようです。

三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨の開発を進めていることが分かった。ITを活用した新しい金融サービス「フィンテック」の一つで、実用化されれば、金融取引などの管理にかかる費用を大幅に節約し、国際送金や振り込みの手数料を安くできるという。

ブロックチェーンは、セミナーでは下記のように説明しました。

  • データ(トランザクション)が「有効」であり「正しい」ことを照明する技術
  • 分散型のため、信頼性が高く、大量のデータを保存する必要がある場合でもコストが低い
  • ビットコインで有名になったが、銀行間の決済や、契約情報の管理、さらに登記情報の代替としても注目されている

ここでは「銀行間」の決済と説明したのですが、三菱東京UFJ銀行の開発している「MUFGコイン」は、まずは行内通貨として開発しているため、支店・グループ間の決済に使われるとのこと。
特に、現在は4,000円前後かかっている三菱東京UFJ銀行グループの海外拠点への送金が、大幅に安くなるようです。

MUFGコインでは、ブロックチェーンに参加するコンピュータが行内・グループ内に限られるため、低コスト化の恩恵は一定範囲と思いますが、それでも現在の大型コンピュータで処理する仕組みに比べれば低コストであるため、手数料の値下げと行った効果が出るようです。

ブロックチェーンを採用した国内事例としては初めてということであり、今後も注目したいところです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。