AIブームはもう終わり?

AINOWにアラヤの金井代表取締役のインタビュー記事が掲載されています。

何でも解けるAIはありません。クライアントごとにデータを取得する作業が毎回発生します。それを減らすために、プロダクトとしてAIが提供されることも増えています。しかし、実際には個別性はなくならず、AIを売るというより、毎回丁寧にAIを作る作業が発生します。

確かにそのとおりで、汎用的なAIをサービス化するのはWatsonなどで提供されている一般的な画像認識モデル程度が限界でしょう。

AIモデルを使って、チャリンチャリンとお金が落ちてくるようなサービスを作れるのがベストだと思うのですが、それがなかなか難しいのです。結局のところ、一般的なプログラミングによって作ったシステムは、汎用的にサービスを実現するためのロジック、アルゴリズムを人間が考えて決められる範囲のことなので、その範囲においては汎用性が担保されます。そのため、SaaSとしての提供が可能になります。

一方、AIモデルはデータをもとに作るものなので、よほど質が高いデータが大量に揃わなければ汎用的に使えるモデルを作るのは難しいといえます。特定の用途、特定の場面で用いるモデルを個別に作っていくというのが、現実解となります。

AIブームが終わるといっても、AIの活用自体がなくなるわけではありません。むしろ、普通のものとして、よりAI技術についての知識などは必要になっていくと考えます。ただ、AIがちやほやされる時代は終わります。

実用化されたAIはAIと呼ばれなくなる、というのがAIの世界での常識というか、今までの歴史なので、画像認識や音声認識といった、現在成果を残しているAI技術は、一般的なITの要素技術として、今後も活用が続くでしょう。

そういった意味で、AIがちやほやされる時代は終わるのは、決して悪いことではありません。このインタビューの最後で述べられているように、AIの研究はブームとは関係なく淡々と進んでいくと思います。そして、また何か新しいAI技術が実用化される可能性が出てくれば、第4次AIブームが登場することになるでしょう。

そうした歴史を繰り返しているのがAIというものであり、私のようなAIというよりITの方が専門の人間としては、次のブームを楽しみにしつつ、今回のブームで実用化された技術を淡々と世の中に広めていく仕事をしていければと思います。

といいつつ、AI研修の講師のお仕事が明日もまたあるのですが、AIブームを囃し立てるのではなく、現実的な落とし所はどこにあるのかという、正しい理解を広めるという方針で、それも続けていきます。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。