MicrosoftよりCopilot+PCが発表されました。SurfaceのようなPCのブランドではなく、他のメーカーのPCを含むカテゴリーということなので、以前のModern PCとか、IntelのCentrinoみたいなものかと思います。
何がCopilot+PCか?
その条件は、下記のとおり。
- NPUが40TOPS以上
- メモリがDDR5/LPDDR5の16GB以上
- 256GB以上のSSD/UFSストレージ
NPU以外は大したことのないものです。私がいま使っているレッツノートQRは32GBのメモリと(自己責任で換装して)4TBのSSDを積んでいるので、難なくクリア。ただ、CPUが第13世代のCore i7-1370Pとかなり新しいものの、NPUを積んでいないのです。そのため、Copilot+PCのカテゴリーには入りません。
つい最近に発表されたカテゴリーなので、世の中で使われているほとんどのPCがカテゴリー外なのですが、例えばレッツノートで唯一NPUを積んでいるレッツノートFV5だとどうでしょうか?
仕様は下記のとおり。
SoC:Intel Core Ultra 7-165H
メモリ:LPDDR5X 32GB
ストレージ:512GB SSD
ということで、NPUを積んだSoCであるCore Ultra 7-165Hを採用しているため、Copilot+PCのカテゴリーに入りそうな気がします。
しかし、Intelが昨年発表したCore Ultraの第1世代であるCore Ultra 7-165Hが積むNPUは、NPU単独でのAI性能が11TOPS、SoC全体でも34TOPSといわれており、Copilot+PCが必要とする40TOPSに満たないのです。
つまり、Core Ultra第1世代(Metor Lake)を採用したPC(世の中的にはAI PCといわれていますが)は、Copilot+PCではないということなのです。
ちなみに、AMDもRyzen 7040UでNPUを積んでいますが、NPU単独で10TOPS、SoC全体で33TOPSとのこと。やはり、Copilot+PCの基準には満たないのです。
今のところ、Copilot+PCはArm系のみ
Coplot+PCの発表と同時に、MicrosoftはSurfaceの新モデルを発表しました。他のメーカーもいくつかのPCを発表しています。
それらのPCが搭載しているSoCはクアルコムのSnapdragon X EliteかSnapdragon X Plusのいずれか。NPU性能はどちらも45TOPSとのことです。
なるほど、クアルコムか・・・。ここ数年、クアルコムなどのCPUで動作するArm版のWindowsが出ているのは知っているし、ここ数年のMacで採用されいるApple MシリーズのSoCが同じArmアーキテクチャのため、Parallels経由で使ったりしたこともあるのですが、ずっとIntel x86アーキテクチャでソフトウェア資産が構築されてきたWindows(や、多くのLinuxベースの業務システム)では、どうしても互換性の問題がつきまとうSoCです。
オフィス用途ならArm版Windowsでもほぼ大丈夫なのでしょうが、私のように開発にも使うとなると、x86であって欲しい。MシリーズのMacでは、Rosettaの仕組みを使ってArmとx86をある程度使い分けることができるのですが、古いバージョンの言語やライブラリを使おうとすると、どうしても無理というケースが出てきます。
今後、出たら絶対買いたいと思っているPCは、x86アーキテクチャでCopilot+PCで、メモリは32GB以上、SSDは換装してでも4TB以上、さらに5Gを積んだレッツノート。まぁ、レッツノートでなくてもThinkPadくらいならいいかな・・・とは思いますが、例えばレッツノートの今年の夏モデル(たぶん6月くらい)で出てくることはないでしょう。
40TOPS以上のNPUを積んだCore Ultraが出るのはいつだ?ということになるわけですね。
第2世代Core Ultra(Arrow Lake)搭載ノートPCの出荷は2025年以降?
こちらの記事を見ると、第2世代Core Ultra(Arrow Lake)を搭載したPCは、デスクトップで2024年末、ノートPCは2025年の早い時期ということで、今年中には私が望むようなPCは手に入らない・・・ということになりそう。残念。