AI・人工知能EXPOに行ってきた

4月から6月の3ヶ月は、3つのAI関連の展示会があり連続で出張しています。

4月はJapan IT WeekのAI・業務自動化展を中心に見ました。その時の感想はブログには書かなかったのですが、Facebookの方にこんなことを書いたのでした。

Japan IT Week、生成AIを中心に見て回ったけど、だいたいAzure OpenAIを使ってRAGしてチャットできますというところが多い。まずはそこだよなと思うけど、そこからもう一歩突っ込んでいるところはなかった。あとは、業務特化のアプリ自体に生成AIを組み込んでいるところはあった。

生成AIのビジネスは、いまのところだいたい下記の4つに分けられます。

  1. 生成AIを使ったシステムが開発できるという請負開発・コンサル型ビジネス
  2. 社内で使うためのセキュアなChatGPT的システムを提供するビジネス(RAGも含む)
  3. 既存のチャットボットに生成AIを組み込んだもの
  4. 既存の業務特化システム/クラウドサービスに生成AIを組み込んだもの

Japan IT Week(AI・業務自動化展)での感想は、この1~3が多くて、特に2が目立ったという話でした。あと、4もちょっとあったと。
2はたいていの場合、Azure OpenAIを使って企業ごとの環境を作るんですね。クラウドサービスというより、ソリューション導入に近いイメージ。

この5月はNexTech WeekでAI・人工知能EXPOを中心に見て、4月の展示会よりは生成AI関連の出展企業数が多いという印象を受けました。
出展されている内容は、やはり1~3が多いのですが、4の割合がもう少し高かったように思います(あくまで主観ですが)。

ChatGPT的なものが社内向けにできたとしても、メリットはRAGができることとセキュア(データコントロールさえすれば、ChatGPTがセキュアじゃないということもないと思うのですが。GPTsを使えばRAG的なこともできるし。ただ、サーバが日本じゃないというのが引っかかるのかも。Azureだったら東日本リージョンを選べるので)だというくらいで、実際に活用できるかは社内の従業員にかかっています。使おうというマインドしかり、プロンプトエンジニアリングのスキルしかり。

そこで、生成AIが組み込まれた業務特化システム/クラウドサービスが切り札になります。

例えば、通信社と提携して最新ニュースのデータを得て、顧客特化の情報を集約し、営業トークのネタを生成してくれるというサービスがありました。こういうサービスは以前からないこともないと思うのですが(古くはニフティサーブのニュースクリッピングとか)、ニュースを要約したり、顧客に関連するいくつかのニュースをまとめて営業トークを生成したりというのは、生成AIがあってこそできることです。(展示されていたサービスの内容を全部把握しているわけではないので、妄想も入っています。)

ユーザーは生成AIを使っている気はないのだけど、生成AIが使われた結果を自然と使っているという状態になれば、業務に生成AIのパワーが浸透していくことになるのですね。

6月は、また別のAI関連の展示会があり、出張してくる予定です。
いずれはGen2Goもこういう展示会に出展しないとなぁという思いもあるのですが、そういう話も少し別の形で、この出張の中で少し進みましたので、お披露目できる日が来るよう、進めていきたいと思っております。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。