CNET Japanで、ティム・オライリーのWeb2.0に関する論文の後編が公開されている。
既にトラックバックが16件集まっており、前編と同じく注目度が高いようだ。
この論文は7つの原則を説明している。
そのうち、前編には2つが説明されていた。
1.プラットフォームとしてのWeb
2.集合知の利用
この2つであった。
当ブログでも独自解釈で説明してあるので、興味のある方は参照して欲しい。(「Web2.0とは、集合知を利用するために、Webをプラットフォーム化すること。」)
後編では残る5つを扱っている。
3.データは次世代の「インテル・インサイド」
4.ソフトウェアライフサイクルの終焉
5.軽量なプログラミングモデル
6.単一デバイスの枠を超えたソフトウェア
7.リッチなユーザー体験
ところで、別の記事を参照してみる。
今週の火曜日から木曜日までの3日間、東京国際フォーラムでJavaOne Tokyoが行われていた。
私は、3日間すべてに行く予定だったのだが、仕事の都合で1日だけ、しかもほんの僅かな時間しか行けなかった。
そんな愚痴はさておき、1日目に聞くはずだったセミナーの内容が、ITmediaで紹介されている。
「JavaOne Tokyoで稚内北星学園、丸山氏が“SOA”を定義」がそれだ。
この記事によると、あの印象的な風貌を持つ丸山氏が考えているのは、ネットワークはコンピュータ内部のバスに匹敵するほどの高速化を果たし、様々なサービスをネットワーク上で連携させることで、独自のユーザー体験を提供するようになるということだろう。
つまり、それはSOAであって、今回のセミナーのテーマがSOAだから、当然の展開である。
そこで使われる技術は、SOAPベースのWebサービスであり、BPELやJBIだ。
Web2.0は企業内システムのことを考えたものではないし、丸山氏のセミナーの内容はどちらかというと、その逆である。
だから、この2つの記事を単純に連結してモノを考えても、有意義とは言えないかも知れない。
Web2.0にせよSOAにせよ、広範なネットワークを前提として、個々に提供されるサービスを融合させて新しいサービスを生み出していくという発想は同じだ。
単なるソフトウェアではなく、サービスがコモディティ化する世界を想定している。
乱暴に言えば、そうした世界を、企業向けの高信頼性の要求される分野で考えているのがSOAである。だから、その仕様はヘビーなものとなっていくし、アルゴリズムのみに価値がある。(データは、サービスとして提供されているアルゴリズムを使用する企業が持っているだろう。ただ、持つべきデータは、その企業のコアコンピタンスのビジネスに関するデータだけで良いはずであり、それ以外についてはデータを含めたサービスの方が都合が良いだろう。)
逆に、ライトウェイトやオープン性を追求し、サービスを特有の価値を持つデータとアルゴリズムのセットとして考えるのがWeb2.0である。
技術は、往々にして簡単なものが普及する。
EJBへのアンチテーゼとしてDIとAOPの軽量コンテナが登場したように、そして次期のEJBがDIとAOPを前提にと変化したように…である。
ライトウェイトを重要な価値観としているWeb2.0が、どのようにSOAと絡んでいくのか(いや、絡まないか?)、注目していきたい。