ITC Conference 2022に行ってきました

毎年、この季節に行われるITコーディネータの最大のイベント、ITC Conference 2022に行ってきました。
コロナ禍になって会場とオンラインのハイブリッドで開催されるようになって以来、オンラインでの参加をしていたのですが、今年は会場参加を選択。
会場は、秋葉原にあるUDXシアターです。

昨日と今日の2日間行われ、参加者はオンラインを含んで900名以上とのこと。
会場には80名までの参加枠しかないのですが、受付が始まってからすぐに申し込みを行ったので、無事、会場での参加ができました。

リアルでの参加をすると、ITコーディネータ協会や、全国のITコーディネータの皆さんとご挨拶できるのが最大のメリットだと思います。
今日の最後の講演で、マイクロソフトの西脇氏が「オンラインでのコミュニケーションをしやすくするために、最初だけはリアルで会っておく」ということを話されていましたが、まさにそのとおり。さらに言えば、最初だけでなく、定期的に(少なくとも数年に1回くらいは)会っておくと、いろいろスムースに進むように思います。

あと、Facebookでつながっている方が多いので、そこでの継続的な発信も大切です。
私の場合は、妻が毎日の晩ご飯を私にタグ付けして投稿してくれるので、それがFacebook上で私を忘れさせない要因になっているようです。
私が何を食べているかなんて興味ないよ!という方が大半だと思うのですが、案外、そういうメリットもあるのですね。

長期利益が重要

さまざまな講演の中で、最も印象に残ったのは一橋大学大学院の楠木氏による「競争戦略の基盤論理」でした。語り口の面白さもさることながら、ビジネスにおける戦略とは何かが頭の中にスッと入ってきました。

不変の論理は長期利益を上げること。短期の利益を上げる方法は詐欺的なことも含めていろいろあるものの、長期の利益となると顧客がお金を払いたくなる(WTP)製品・サービスを提供し続けなければならない。ESGやSDGsといった昨今のキーワードも自然と満たされることになる・・・。
たしかにそのとおりです。Environment(環境)やSocial(社会)に害を及ぼすようなビジネスは長期的には継続できませんし、Governance(企業統治)ができていないと長期的にはいつか綻びが出るでしょう。だから、長期利益につながるかどうかを判断基準としていれば良いというのは、とてもシンプルです。

また、戦略におけるBetterとDifferentの違いもしっかりと理解できました。Betterは物差しのある違いなので、その違いが競争力として効果的な期間は有限。一方、Differentは物差しのない違いなので競合との競争関係になりづらい。だから、戦略としてはまずDifferentを考え、その次にBetterを考えるのが良い。

この講演に限らず、示唆に富むものが多かったので、自分の中で消化して、今後の活動に活かしていきたいと思います。

外部支援者への期待

1日目の後半は、中小企業の優れたDX事例についてのITコーディネータ協会表彰の表彰式と事例発表。

事例発表では、受賞企業の経営者と支援したITコーディネータが登壇したのですが、その中で経営者から外部支援者に期待することの話がありました。
モチベーションが上がるような新しい刺激を与えて欲しい、夢を語る対話の相手になって欲しい、新しい情報や技術を教えて欲しいの3つ。
この期待に応えられる活動をしていきたいものだ・・・と、心に残る提言でした。

夜は・・・

1日目の夜はITコーディネータの集まりから離れて、四ッ谷のしんみち通りへ。
弊社(株式会社ビビンコ)の創業者揃い踏みです。
私が東京に行ってもなかなか全員が揃うタイミングがなかったので、実は私がUターンして以来、初めての結集。

もともと、全員が自分の会社を持っていたりするので、活動はそれぞれあるのですが、一度は同じ会社に関わったメンバーなので、いろいろと深い話ができます。
また、結集する機会を作って行きたいところです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。