家を買うまで(7)

ここまでのところで、だいたいリアルタイムに追いついた。
先週から、家を買うまでの記事を書き始めたのだが、実際には9月の中頃からの話だ。

いよいよ、明日、融資実行と引渡しを迎える。ついに、一軒家とその土地が自分のものになるのだ。まぁ、ありきたりな言い方だが「一国一城の主」というやつである。

今まで、家を買うまでのプロセスを中心に書いてきたので、今回はなぜこの家にしたかについて書いておこうと思う。何より明日、自分のものになるのだから。

まず、現実論として物件価格がある。今回の住宅ローンを組んでから、日経に住宅ローンの平均完済年齢が73.1歳になったという記事が出た。

日経は代表的な住宅ローン「フラット35」を提供する住宅機構の資料から、利用者の年齢や融資額・期間のデータを取得。2000年度から20年度(4~7月)の利用者(対象約122万人)を分析すると、老後に返済リスクを先送りする実態が見えてきた。

平均完済年齢が最低だったのは2000年度の利用者の68.3歳。その年齢は年々高くなり、20年度の利用者は73.1歳と最高だった。完済時の「高齢化」には3つの要因が重なっている。

もちろん、繰上げ返済も考えつつだろうし、今後さらに生涯現役で働くことが前提の社会になるのだろうが、それにしても73歳とは・・・。
私はいま41歳で、最初20年ローンにするつもりだったが、結果的に25年ローンにした。完済年齢は66歳だ。もちろん、繰上げ返済も使っていくつもりである(だから、保証料一括型を選んだ)。この20年間の調査で平均完済年齢の最低値が68.3歳というから、それよりも下の年齢に落ち着けることができた。
といって、月々の支払いは今の家賃以下にしたいし、ボーナス払いも使わない。最初は頭金を入れるつもりだったが、この低金利時代なのでそれもゼロにした。そうなると、購入できる物件価格には限りが出てくる。その範囲内に収まるものを買ったわけだ。

マンションか一戸建てかというのもある。元々はマンションを買うつもりだったのだが、下記の点が気になった。

  • 管理費、修繕積立金、駐車場代の負担が重い
    • 戸建てでも修繕積立金相当の貯蓄は必要だが、自分で貯められればいざというときの備えにもなる。
  • 築年数が上がったときの管理体制への不安
    • 築10年くらいの中古マンションを買うつもりだったのだが、仮に50年間住むとしたら築60年になっている。そのとき、ビンテージ扱いされるようなマンションでなければ、色々難しいことが起きるのではないか。

一方、戸建ては日頃の維持管理をすべて自分たちでやらなければならないため、そのための負担(金銭的、時間的)が必要になるのだが、逆に言えば、その辺のすべて自分たち次第であって、自由になるメリットがある。今回、いくつかのリフォームをするのだが、その一部はマンションではできない内容のものだ。

立地についても考えた。検討していたマンションの方が立地は良いのかもしれないが、今回の戸建てでもそれほど立地が悪いわけではない。駅から歩いて15分圏内だし、主要国道から一本入ったところである。バスも頻発しているエリアで、スーパーやドラッグストアも近い。少し敷地が狭いのは残念だが、角地だし、きちんと整備された場所なので道が変に入り組んだりしていない。

用途区分は準工業である。まぁ、危険なものでなければなんでも立てられる場所で、たしかに周囲には小さな工場が点在している。一方で、最近建てられたと思われる大型マンションもある。
嬉しいのはエリア最大の公園があることだ。屋内プールもあるし、たるみすぎた体を鍛え直すには好立地である。

建物については、もともと建売物件のため、安普請なのは仕方ない。ただ、築年数が浅いので、耐震などは問題ないだろうし、幸い「すまい保険」も付いている。

そんなわけで、2階の一部屋が私の書斎兼仕事場となるわけだ。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。