EPSONの超小型PCであるEndeavor ST190Eを中古で買ってから、ハード、ソフトの両面で環境構築に勤しんできたのですが、最近ずっと持ち歩いているiPad ProからVPN経由、リモートデスクトップで使うことが非常に快適だということに気づきました。もう、iPadがWindowsパソコンのようになります。カフェにいるときはWiFiを使うので、それほどLTEのパケットも使わないし。
別にiPadでなくても、自分がいきそうなところ(ディスプレイやキーボードを置いておけるお客様先とかコワーキングスペース)にRaspberry Piを1つ置いておけば、そこからVPN→リモートデスクトップでやはり同じように使えるので、やっぱり便利じゃないかと。
こうしたことは、以前はAWSのWorkSpacesというサービスを使っていたのですが、安価なプランを使ったためかWindowsの動作が遅く、ちょっと使うだけならまだしも、常用はとても…という印象でした。でも、自宅に置いてあるCore i5-8500T(6コア6スレッド 2.1GHz TB:3.5GHz)に16GBのメモリをどこからでも占有して使用できるとなると、話は変わります。
以前、MacBook Proを使って作ったTensorFlowの画像認識モデルも、この環境でならiPadで操作して作ることができました。
通常のデスクトップ用途なら、この環境で十分なのですが、そのTensorFlowをどうのこうのという話になってくると、また欲が出てきます。ゲーマーじゃないので、そんなハイスペックPCが必要になることはないと思っていたのです、TensorFlowがお仕事になってくると、そうもいかないのです。
で、TensorFlowのようなディープラーニングをそれなりにやっていこうとなると、欲しくなるのはGPUでして、NVIDIAのGPUを積んだグラフィックボードを挿したくなるのだけど、残念ながら超小型のブック型PCであるST190Eには拡張スロットがないので挿せない。困った…。
それでは、またそういうマシンを買うなり、作るなりしないといけないのか…。出費もバカにならない。できるだけ安く仕上げられないか?と考えたところ、ST190Eのパーツを最大限活用してPCを自作すれば良いだろうという結論に至りました。
現在のST190Eの構成はこのようになっています。
- CPU:Core i5-8500T(ST190Eの初期構成)LGA1151 Socket
- メモリ:PC4-2666 DDR4 SDRAM 8GB×2枚
- HDD:Seagate ST2000LM015(2TB 2.5インチ 7mm 5400rpm SATA)×2個(RAID1構成)
- SSD:SanDisk X600 2TB M.2 2280 SATA 6Gb/s
まぁ、ストレージ関連は購入時点ではKingstoneの256GBの2.5インチSSDが1個付いていただけなので、いま使っているのはすべて後付けですが。
こちらのページにあるように、ST190EのチップセットはIntel H370です。RAIDもチップセットの機能で実現しています。そのため、同じIntelのRAIDに対応したチップセットを使えば、基本的にはそのままRAIDを維持できます。
ということで、下記の3つを購入すれば、さらにパワーアップできるのではないかと。
- マザーボード
— Intel H370およびその後継のチップセットを搭載
— LGA1151ソケットを搭載
— m.2 2280 SSDが搭載できる
— 2.5インチSATA HDDを2台以上搭載できる - ケース
- 電源
- ファン
これだけなら、ざっと3万円くらいあれば良さそうですよね。それで今と同じ性能のPCを作り、続いて、GeForce搭載グラフィックボード→メモリの増設→CPUの換装といった手順(グラフィックボードとメモリは順序が逆になるかもしれませんが)で追加投資していけば、どんどん性能は向上していくことになります。グラフィックボードの搭載ができた時点で、ディープラーニング環境としても一端のものになるはず。
そんな感じで自作PC熱が出てきているのですが、完成品を買うのと違って、少しずつの投資で徐々にパワーアップできるのが趣味的にも楽しいですよね。