クラウド・デバイスとしてのスマートフォン

iPhoneやAndroid搭載端末は、電話機として登場したが、その実態はクラウドを利用するための端末である、と強調した。「iPhoneやAndroid(搭載端末)は電話の形をしてはいるが、単なる電話機ではない。『クラウド・デバイス』ととらえるとすっきりする」

引用元: Android端末はもはや電話機ではなく「クラウド・デバイス」—ABC 2009 Fall基調講演 – ニュース:ITpro.
丸山先生というと、つい稚内北星学園大学の・・・と言ってしまうのですが、いまは早稲田大学大学院の客員教授なんですね。
Androidに興味を持って、日本Androidの会というものがあるのを知って、その会長が丸山先生であると聞いたとき、やっぱり新しいもの好きだな~丸山先生は・・・なんて思ったのですが、それはさておき。

丸山先生は新しい技術について、そのコアなところを概念に組み立てて説明されるのが非常に上手い方です。だから、「クラウド・デバイス」という説明をしたのも非常に上手いと思います。
言い方を変えれば、昨日書いた記事のようにユーザインタフェース層を担うデバイスです。クラウドのユーザインタフェース。

でも、まぁ、それで良いと思います。
たとえば、TwitterのようなWebサービス(いわゆるクラウドのひとつ)だって、iPhoneのような(もちろんAndroidでも良いわけですが)、どこにでも持ち運べる優れたユーザインタフェースがあったから、今のような流行になったわけです。ユーザインタフェースの特性がサービスを作ることもある。

たしかにユーザインタフェース層の技術の移り変わりは速いけど、そこから強い影響を受けるビジネスロジックもあるわけです。
AR(拡張現実)技術なんかもそうですね。iPhoneやAndroidのようなデバイスがなければ、なかなか普及しないでしょう。
今まで、iPhoneやAndroidのような、高速にネットにつなげて、大きな画面やカメラが付いていて、結構多くのユーザが持っているようなデバイスはなかったから、こうしたデバイスがあるからこそ出来るサービスが、これから一気に広がっていくでしょう。
(今までもWindows Mobileをはじめとするスマートフォン、PDAはあったけど、少なくとも日本では回線速度がPHSだったりして遅かったし、マニアックな評価しか受けてこなかった。)

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。