長年ブログをやって来た。その間に移転とかリニューアルとか、何回繰り返したのかわからない。
私がブログを始めたのは2004年のことで、digital morning satelliteというココログで始めたパイッロット版を経て、レンタルサーバを借りドメインも取って始めたdigitalmorningで本格的にブログデビューした。当時は強度のハロプロ好きであったから、テーマはハロプロが80%だった。digitalmorningは長期に安定していたブログで、更新も高頻度。ざっと2000本ほどのエントリーを書いた。
そのdigitalmorningのあり方に疑問を感じたのは、2006年のことだ。これは、私が仕事上のキャリアに疑問を感じた時期とシンクロする。なぜシンクロするのか。それは原因が同じだからだ。Web2.0ブーム、そして梅田望夫氏の「ウェブ進化論」。はてなの隆盛である。
なぜそれが原因になったのか。それは、Webの力を最大限に活用すればビッグな人物になれるかもという、当時漂っていた空気だ。同じIT業界の話と言えども、Web2.0ブームとSIerにいるSEは違う世界の話だと感じた。何とかしてブームに乗りたい。そして、ブログもハロプロネタばかりを書いていても仕方ない。アルファブロガーになるには、はてブされそうなことを書かなくては。
それが放浪の始まりとなった。ビジネスキャリアも、ブログも。
このエントリーはブログが主題だから、ビジネスキャリアの話は
この程度にしておく。
アルファブロガーになりたいと思って何を始めたか。まずはテーマ。ハロプロはマズイ。だからWebっぽいことを書く。書くのはいいが、そういう狙ったエントリーのすぐ下にそれまで書き溜めてきたハロプロのエントリーがちらちら見えるのは望ましくない。だから、切り離して新しいブログにするかと考える。
で、いざ切り離してみると、自分の心の中でなにかしっくり来ない気持ちが生じた。なぜしっくり来ないのだろう。2つのことを同時にできない私の性格のためだろうか。もしかしたら、過去を切り離すことへの拒否感かもしれない。過去の自分を否定するような気がしたのか。
そういうことを考えていると、新しく書き始めたブログも続かなくなる。まぁ、ネタも切れる。書きたいというより、手段として書いているようなところがあるから、続くわけもない。そして、切り離したはずのdigitalmorningと統合する。
こうした分離と統合を繰り返すうちに、digitalmorningはどんどん太っていく。その度に移転やリニューアルとなるから、SEO的にはまったくダメなわけで。
そうしたある種の焼け太りが続くうち、digitalmorningはinoccu.netに名前を変える。
時間は経過する。でも何の実績も残っていない。焦りが増す。分離と統合、移転やリニューアルの間隔はどんどん短くなっていく。そのうちブログを書くよりリニューアルの作業ばかりするようになる。そうこうするうち、ブログの世界から私というブロガーが姿を消すことになる。実際は何かやっているのだが、ブログの誕生と消滅の間隔が短すぎて、外からは見えなくなるのだ。
ブログって何なのだろう。
今の自分にできることは、何でもいいからとにかく書き続けることだと思う。同じブログでコツコツと書き続ける。
テーマを絞るのは人気ブログの定石であるらしい。それも試した。
しかし、人気ブログを作るためにテーマを戦略的に絞るのは、自分には向かない。向かないというより出来ない。今の自分には。自分にとっては、それが自分という人間の幅を絞るように感じるから。
ブログはとりあえず書き続ける。自分という人間が右往左往しているうちは、ブログの内容も右往左往するだろう。それが、いつか安定することがあると思う。自分という人間が落ち着いて、仕事の上でも一本道が見えてきたら、ブログのテーマも絞られてきているのではないだろうか。
ブログとの距離感。人それぞれあるだろう。
私にとっては随伴者であってくれたら良いと思う。
今まではブログが自分にとっての先導者であって欲しいと願っていた。戦略的にブログを作って、それに引っ張られるように自分というものが定義されていけば良いと。
これはパラダイムシフトである。