新しいものを買うということ

Apple watch selling points

私は比較的、新しいものを買うのが好きというか、いわゆるマーケティング的な定義でいえば、アーリーアダプターくらいにはいるのかもしれません。

ロジャーズによる分類でいえば、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティー、レイトマジョリティー、レガードという風に新しい技術、商品は普及していくのでありまして、私はアーリーアダプターかアーリーマジョリティーのあたりにいるのだろうなぁと思います。

というのは、ついこの間、Apple Watchを買ったのです。ちょうどApple Watchが出た頃にはiPhoneではなくて、Androidを使っていたからというのはあるかもしれません。Apple WatchはスマホがiPhoneじゃないと使えませんせんからね。といって、Android向けのスマートウォッチには手が出なかった。

Apple Watchが出てから2年ほど経っていますし、私が入手した第2シリーズが出てからも1年ほど経っているわけです。なので、少なくともイノベーターではないでしょう。なので、せいぜいアーリーアダプターあたりだろうというわけです。Apple Watchがもう少し普及していたならば、私はアーリーマジョリティーだったかもしれませんが、私が知っている範囲でもApple Watchを入手していたのは数人であって、それはiOSアプリの開発を仕事にしているような人たちなので、決してマジョリティーではないでしょう。故に、せいぜいアーリーマジョリティーには入るだろうと思うわけです。

そんな分類はどうでも良いのですが、そんなことを言い出したのは、新しいデバイスはやはり入手するべきだろうと思ったからななのです。

インターネットマガジン(昔、読んでたなぁ。インターネットマガジン。インターネットの情報を紙の雑誌で得ていた時期は間違いなくあったのです)の元編集長で、いまはITコンサルタントの倉園佳三氏は、著書「iPhone×iPadクリエイティブ仕事術」の前書きでこのように述べています。

「音質や画質、速さが改善されるものはお金に余裕があるときに買えばいい。でも、いままでできなかったことが可能になるものは借金してでもすぐに買ったほうがいい」

そうなのです。借金のくだりはさておき、「いままでできなかったことが可能になるもの」はやっぱり買った方が良い。特に、「いままでできなかったこと」はITによってできることになることが多いので、ITに関係している人、そして、その恩恵にあずかるであろう経営者はそうだと思います。

経営というのは、ゴーイングコンサーンなのであります。ゴーイングコンサーンというのは、経営が継続できること。単に継続なら簡単じゃないかと思うかもしれませんが、さにあらず。経営は常に世の中の動きに寄り添う必要があり、経営を継続するということは、世の中の動きにずっとついていくという行為に他なりません。それができるか否かがゴーイングコンサーンに関わってくるのです。

だから、経営者や経営者をご支援する人々は、世の中の動きに追随する必要があるのであり、それを礼賛する必要はないにしても、動きを把握して、その様子を自分ごとにする必要がある。

そんなことを思うと、私がApple Watchを買うのは遅きに失したように思うところです。私がWatsonをテーマにしたような本を2冊も書いていることを思うと、もっと音声によるITの操作には気を払うべきだったかもしれない。

それは、Amazon EchoとかLINE WAVEによって感じるだろうと思っていたのだけど、Apple Watchにおいても感じることができました。Apple Watchの小さな画面を使って文章を入力するのは無理なのですから、どう考えても音声に頼らざるを得ない。

もっというと、私の知り合いがAndroidスマートフォンを使っていながら、電車の中で小声で音声入力によってGoogle検索をしていた時点で私は気づくべきだったのでしょう。いや、気づいてはいたのだけど、私自身はフリック入力の方が速いと固く信じていて、それが間違いだったのかもしれないわけです。

ということで、私のまわりには既にLINE WAVEを予約した人もいるわけで、一方で「自分の仕事を変えずに自分の仕事を変えたい」という人もいるわけです。

世の中はまだまだ変わります。変わることは善でも悪でもなく、経営はただただ付いていく必要があるのです。SWOT分析などをやったとしても、まずOppotunity(機会)とThreat(脅威)は外部環境からやって来るのであります。外部環境が自分にって機会なのか、脅威なのか。それは、変化を自分ごとにしてみないと分からないことが多い。そのためには、まず付いて行ってみる必要があるのは、いうまでもありません。

そういうことに対するご支援を、私はやっていきたいと思っているところなのです。(と、Apple WatchとさらにAir Podsを入手して感じたりした。)

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。