25分ルールを総括する(1)

(このエントリーは、1997年12月15日に書いた文章を、2016年7月に復刻したものです。)
(このエントリーは、1997年12月15日に書いた文章を、2016年7月に復刻したものです。)

1997年という年をルールに関して振り返ると、最大のトピックは「25分ルール」になるのではないだろうか…。バレーボールに初めて時間という概念が取り入れられたわけで、評判がどうあれ画期的なものには違いない。
「評判がどうあれ」である。実際は、そりゃ悪かった。日本で初めて25分ルールが適用されたのは8月10日の日米対抗男子でのことだが、その時の寺廻監督の感想は「こりゃ駄目だ」ってことだから、まぁ散々なものだ。
ここで25分ルールの歴史(って程でもないが)をV-STATIONのニュース記事から振り返ってみたい。まず、FIVBの提案から。

FIVB(国際バレーボール連盟)は17日の理事会で、1セットを最長25分までにする時間制を、11月に日本で開催されるグランドチャンピオンシップでテストすることを決めた。2001年までにバレーボールを世界のメジャースポーツに飛躍させる「ワールドプラン2001」の一環で、時間に厳しいテレビの生中継を強く意識している。
セット15点勝負はバレーボールの常識(少なくともインドア・トップクラスの試合では)だが、今回の時間制の導入で覆ることになる。
(第31週・97年4月)

この記事の段階では、25分経過後にラリーポイント制に移行するなんて知らなかったのである。実際、だれも言ってなかったと思うし…。その後、訂正が入る。

今年秋のグラチャンや日米対抗でテストされることになっている25分ルールの日本協会の説明が実は違っていたようだ。協会は「第4セットまでは25分が経過した時点で打ち切り」としていた。しかし、FIVBから協会に届いた資料によると「25分までは今まで通りのサーブ権を必要とするシステムで、26分以降はラリーポイントに移行する」とのこと。もちろん最終セットのラリーポイントは変更なし。
いきなりFIVBから発表された25分ルールが、日本協会をいかに混乱させたかを窺い知ることが出来る。少なくともどちらかのチームが15点を取る前にセットが終ってしまうなんてことは無くなったわけだ。
(第42週・97年7月)

とにかく、みんなが良く分かってなかったのだ。その後8月の日米対抗で初めて適用され、不評に終わるわけだ。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。