Webサービスとエンジニアとビジネスとオイコノミコス

XMLの活躍場面の一つとしてWebサービスがあります。ここではWebサービスの詳細解説は行いませんが、大雑把に言うとプラットフォームに依存しない分散コンポーネント技術がWebサービスと言えるでしょうか。今後のシステム構築は、今までのようなアプリケーションの開発ではなく、サービスの開発と、それを組み合わせたポータルの構築によって行われると考えられます。そこで「サービス」を担うのが、Webサービスです。

そうしたWebサービスの開発の場面では、エンジニアはビジネス感覚が必要です。Webサービスはビジネスロジックを定義し、ASPのような供給形態になり、取捨選択の対象となります。ここで「捨」の方になってしまえば、ビジネスはあがったりです。もちろん、その企画や営業のすべてをエンジニアが行うわけではないとしても、ビジネス感覚を持ったシステム開発が必要になると考えられます。

ところで、オイコノミコスという言葉があります。ギリシア語で「共同体のあり方」を意味します。エコノミクス(経済)の語源と言われています。つまり経済とは社会(共同体)のあり方を考えることでもあるのでしょう。

Webサービスはシステムの構成はもちろん、ビジネスのやり方にも変革を与える、非常に大きな影響力を持った技術です。エンジニアは、ビジネス感覚を超え、社会のあり方についても想いを巡らせることを考えるべきです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。