仮想本屋とWebサービス

INOKS.NETでは、Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムに参加して、仮想本屋をやっているのは、このページをご覧の通りです。ここで本が売れればAmazon.co.jpの売上に貢献することになりますから、紹介料として売上の数パーセントがキックバックされる仕組みになっていますが、まぁ、大した商売にはならないというか、100冊売れてもDVD1枚買えるくらいのキックバックだから、あてにはなりません。

それなのに、なぜこういうことをやるかというと、仮想本屋ということ自体が面白いからです。コンテンツの一つとして、面白い。この前、ボーっとオルトアール総合雑談中心を見ていたら、オルトアール楽天ブックスという(規模はまったく違いますが)似たようなことを始めていて、船田戦闘機氏がやっぱり似たような感想を書いていたのは、やっぱりこういうことを面白いと感じる人はいるんだなと思ったりしました。

ところで、この仮想本屋は、システム的には本屋の元締め(INOKS.NETではAmazon.co.jp)の商品ページにリンクを貼っているだけです。それはそれで良いのですが、ここにXMLが絡むともっと面白くなるのではないかなと感じます。顧客との商品注文のやりとりは全部、仮想本屋側が請け負って、注文伝票としてのXMLデータを元締めに送りつける。あとは、そのXMLデータをもとに元締めが処理すると・・・。こういう形にすると、仮想本屋側で様々な処理をはさむことが出来、一つの元締めにぶらさがる仮想本屋ごとの価値が生まれて、面白い。

実は、こういうシステムがWebサービスの真骨頂かもしれません。Webサービスというとエンタープライズ分野でのビジネスロジックの結集とか、単なるRPC(Remote Procedure Call)程度と考えることも出来ますが、仮想本屋の元締めシステムのようにビジネスそのものを変えることも出来るわけです。仮想なのは本屋だけでなくても、航空券の販売でも良いし、ASKULみたいなオフィス用品でも良い。そうすると、面白いアイデアを持った連中が、こぞって仮想百貨店みたいなのを作り始めるかもしれませんね。現在のショッピングサイトはわりと紋切り調なことが多いと思いますが、そうやって個性溢れるショップが増えると、オンラインショッピングが今より楽しくなること請け合いです。

私は作りたいけどねぇ。仮想百貨店・・・。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。