DmBlogger作者、かく語りき(2)

昔の話をするというのは、オッサン化の始まりであって、まぁ26歳にもなると仕方ないのではないかと思います。
原点に返ってみたくなるのです。

子供の頃に読んだ本に、渡部昇一氏の「知的生活の方法」があります。(そういう面では早熟な子供だったのです。)
知的生活とは、本を読み、自分の本を持つという生活です。
お金がなかったりすると、本を買えませんし、本を置く広い部屋を持てませんから、図書館で借りるというスタイルになります。
図書館で借りた本は、自分の本にはならないので、カードを取るという行為が必要になります。(もちろん、自分の本でもカードにした方が良いのですが、手元には残っているので、どうしても必須というわけではありません。)
そうやって、カードを取ることを何年も続けていると、その分野でひとかどの人物になれると、そういう話も取り上げられていました。
これは随分古い本で、私の子供の頃でも、ライフスタイルはすっかり変わっていたのですが、子供心に知的生活に対する憧れが生まれたのです。

ところで、カードを取るということの原点とも言える名著は、梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」です。
同書で取り上げられている、京大式カードが、今でも売られているようです。
梅棹氏は、重要なことはカードによる情報の規格化であると言っています。

ここでやっとブログの話に戻すと、ブログでの1つ1つの記事は、まさに規格化されたカードに相当すると思うのです。
dm。には、公開しているブログの他に、隠しブログがあります。
隠しブログは、公開するほどの価値がなかったり、そもそも公開出来ない種類の情報を、書く場所として機能しています。
つまり、私にとってdm。というブログは、私の書いた記事を公開する場所であると同時に、自分が溜め込んだ知識や、ふと思ったアイディアを吐き出して、整理する場所でもあるのです。
まさに、カードとしての使い方です。

そのような使い方をすると、まとまったサイズのテキストを、いつでもどこでもブログに載せられるようなツールが必要になります。
内容が内容なので、当然、テキストはそれなりのサイズになります。
「いつでもどこでも」も重要です。知的生活が自宅の机でだけ行われるわけではないからです。
ここで、ザウルスからブログに記事を載せる、もっとも簡単で十分に機能する方法が、必要になります。(つづく)

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。