どうしようもなくWeb 2.0なシステムとは?

Web 2.0のことを、人にわかりやすく説明しようと思ったら、それがどんなシステムになるのかを説明するのが良いかもと思った。
どうしようもなくWeb 2.0なシステムってどんなのだろう?と、考えてみた。

題材は、思いつきで言ったら、わりと好評だった、企業内の書籍購買システム。

どうしようもなくWeb 2.0なシステムとは?

これを書きながら、思ったことは…。

  • とにかく、データソースを持っているところがAPIを公開する必要がある。
  • 例えば100万円でAPI公開が出来るようになったら…?
  • 結局のところ、かなりの数のシステムが連携される。
  • 更新系システムとの連携は、自動化を進め、ユーザの無駄な操作を減らすために効果的。
  • 更新系のシステムは、「もともと必要なシステム」なので、だいたい既に存在しているはず。Webサービス化しておく必要あり。
  • 参照系システムとの連携は、データソース増による、ユーザの検討材料の増に効果的。
  • 参照系のシステムは、データソースとして、「あればあるだけ便利」なもの。→要API公開
  • 本を探して、買う本を決めるプロセスでは、ソーシャルタギングによるフォークソノミー、ブログやソーシャルブックマークによる口コミの集合知が活かされる。
  • ある意味で、人間くささのある、よく教育されたコンシェルジュのようなシステムが出来るかもしれない。
  • もちろん、システムは最大限に連携されているから、ユーザが操作するのは1つのシステムだ。(ワンストップWeb)
  • そのシステムも、Ajaxが効果的に活用され、操作性は抜群だ。

こうしたメリットによって、人間(ユーザ)が、冗長な作業を極力省き、より適切な判断が出来る材料が揃えられるので、人間(ユーザ)が、より効果的な活動が出来るようになる。
つまり、人間の能力増大にコンピュータが役立てられることになるので、方向性として正しいと思う。

結局のところ、ユーザは、本を探して、買うことを決めるまでの操作しかしていない。稟議以降、発注、決済、領収書の経理システムへの投入は自動化されている。(Amazonから本が届くのが待てないなら、書店まで出かける必要がある。それでも、在庫確認済みだし、最も近いし、休業日じゃないし、閉店もしてないし、地図で案内してくれる。)
ユーザがやりたいのは、「いちばん良さそうな本を、出来るだけ速く手に入れる」ことであり、それ以外の作業は、別のステークホルダー(上司は決裁したい、経理は領収書が欲しい、社内蔵書システムは蔵書を増やしたい…)が求めているだけなのだ。それは、自動化すれば良い。

Web 2.0と銘打ったが、SOAのようにも見える。
まぁ、そんなことは気にしても仕方ないのであって、重要なのは今まで出来なかったこと(出来なさそうだと思っていたこと)が、出来るようになったんじゃないか?ということだ。
だから、「(1.0に対する)2.0」なのだ。

敢えて言えば、Web 2.0は、単なるシステム連携の上に、人間くささ(人間らしい温かさ)を与えている。何となく、社会的(ソーシャル)である。

とりあえず、ブレインストーミング的に考えたので、ビジネスモデルとかは抜きだ。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。